東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『夕立のような雨が降ったり』

先日、ある申請を行いに役所へ行った。娘子も連れて。それもあまり行儀よくはないだろうが、騒ぐよりはと娘子にたいやきを食べさせていた。手続きをしている間、娘子も僕の隣に座っている。たいやきを食べている。で、少々やっかいな手続きで確認事項が多く、担当してくれた窓口の人がいろいろ聞いてくる。
「申請は奥様の分もですか?」
「はい、お願いします」
「お子さんの分は?」
「あ、子どもの申請も必要なのですか?」
「・・・」
少し考えた様子の窓口の人は、ややあってからこう口にした。
「お子さんは20歳を超えてますか?」

そんなわけなかろう。

たいやきを頬張り、机の上のボールペンや朱肉や紙の類をいたずらしようとする娘子が、まさに隣に座ってなぜこのような質問を投げかけてくるのか。


27日(日)は嫁氏の誕生日だった。ふとロールケーキでも作ってみようと思い立ち、前日夜に生地を仕込む。料理なんてカレーくらいしか作らないもので、特に菓子などは作ったこともない。携帯で、作り方を調べつつ卵白をまぜにまぜた。オーブンで焼いたのだけど、どうも生地が厚くなってしまいふっくらとはいかなかった。娘子は嬉々として食べていたが、よくよく見ると生地には手をつけず、中の生クリームとイチゴだけを選り分けて食べるという、極めて正直な食べ方をしていた。生クリームを混ぜたのも父だが、しかし生地と合わせてのロールケーキなのだよと思ったが、いつかこの反省をふまえてリベンジしようと思う。


小林正樹監督の『切腹』を観た。迫真なんて言葉も軽くに思えるほどの仲代達矢さんの姿。圧巻。回想シーンと現在の、まったく別人のような変わり方。腹に抱えた燃えたぎるような想いを、訥々よ言葉にする迫力。そして岩下志麻さん。『鬼畜』の時もそうだったけど、何も言わずに何かを見つめる眼の、その凄み。して、丹波哲郎さんと仲代さんの対決のシーンがほんとかっこいい。うーん、『怪談』観たくなる。


今日は午前中はとても晴れていたけれど、午後にいきなり雲が出たかと思ったら雷が鳴り、雨が降った。なんだか夏の夕立みたいだった。娘子と強く降る雨を窓越しに眺めた。今は、空気がひんやりしてそれはそれで気持ちいい。


明日から一泊二日で、僕の実家に行く。その旨を母に「火曜と水曜に行く」と伝えたところ、なにか焦ったのだろうか、母は「火曜と水曜って何曜日だっけ?」と聞き返してきた。