東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『横移動の風景』

tokyomoon2018-03-14

寒い日や雨の日が続くと思ったら、暖かい日もあり、こういう寒さと暖かさが行ったり来たりするようなもどかしさがこの季節にはあってそれを言葉にできないか、とモヤモヤしていたら、それこそが『三寒四温』ではないかと気づく。自分が思うことはすでに誰かも思っている。


こんなタイミングで、少し体調を崩し、声が出なくなったり、なんとなく怠い日が続く。インフルエンザとかそういう大病でもなさそうで、市販の薬でやり過ごしているけど、もしかすると花粉症かもしれず。毎年この時期は目が少しずつ痒くなったりするし、いろいろ厄介だ。


BSでやっていた『世界のTAXI』という、土地土地のタクシードライバーに1日密着して、話を聞きながら車でその街を走るという番組がやっていて、車の中からスローで街の風景を撮影した映像がとても良かった。カメラは固定されていて、タクシーの速度で横移動していく。街の人々は歩いている人もいれば、横断歩道を待っている人もいて、たまにカメラに気づいて目線がこちらに来る人もいるけれど、大半は気づかずにそれぞれの動作をしている。二度と見ることはないだろう、そういう人たちがスローでゆっくりと通り過ぎていく。その映像が良かった。そしてそこに、タクシードライバーの語りが挿入される。とある年配のドライバーが、刑務所から出所したばかりの人を乗せた時の話をして、彼が何十年ぶりに、変わってしまった街をずっと眺めていた、と語る。教会の神父のようなものだ、多くの人たちの人生をわずかな時間に共有する。


先日、車で帰宅することがあった時、ふと、携帯のカメラで街の風景をスロー撮影してみた。シャッタースピードの都合とかもあり、チカチカとしたり、どうしても暗くなるのだけど、渋谷の街の風景がなんとなく良い具合に撮れるもんだった。見慣れたような風景も切り取り方でまた違う。


昨夜、映画を観ながらうたた寝していたら、娘がべそかいて寝室から降りてきた。気持ち悪くなって戻してしまったらしい。原因はよくわからない。少し辛そうにしていたが、出し切ったら少し楽になったみたいで、一緒に眠りについた。


今年も3月11日がきた。あの頃の自分とは想像もつかないくらいやっていることが違う。が、あの時の、震災の経験や目撃した風景のことは忘れられない。


年度末も相まって仕事は当然のようにバタバタしている。こうやってバタバタしたまま、日々が過ぎていくことが当然のようになってきたが、たまには落ち着いてどこかへ出かけたり、映画を観たり本を読んだりしたい。


今朝はだいぶ暖かい。今日から春で良い。