東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『でかける/散歩/花咲くころ』

tokyomoon2018-03-06

土曜は1日のんびりできたので、思い立ちレンタカーを借りて出かける。新しいプリウス。ギア、といってもオートマ車なのでDとRくらいの使い分けだけど、なんというか少し慣れるまでやりにくいつくりだった。久しぶりにアクアラインに乗る。海ほたるで少し休憩。富士山に霞がかかっており、もう冬は終わっていくような陽気。海底トンネルを掘った半円形の盤のようなものがデカデカと飾ってあり、写真を撮るとなんだか映画『メッセージ』のオブジェみたい。かもめたちがのんびり海面で揺られていた。


木更津から千葉を横断。九十九里浜のあたりまでいき、イチゴ狩りをする。僕は取ったらすぐ食べるが、娘は取り貯めてからまとめて食べていた。たらふく食べる。菜の花が咲いていて、黄色が明るかった。それからさらに海沿いへ。九十九里の砂浜へ。娘と嫁は疲れて車で休んでいたので僕だけ散策。雲がでてきてしまい、風も強かったけど寒さはそこまでではない。そうはいってもサーフィンをしている人たちは寒くないのかといつも思う。


それからスーパー銭湯へ。温泉に入る。サウナに入り、汗をかき、水風呂へ。水風呂は苦手なのだけど、以前に比べると多少浸かれるようになった。身体がおかしくなりそうだけど、サウナの達人たち曰く、「サウナは水風呂もセットでサウナ」という教えを全うするため、水風呂へ。銭湯から外へ出ると、土と木々の匂いがする。あたりは暗く静か。このくらいの夜が落ち着く。


帰りは高速で東京へ。スムーズに戻れる。一気に都心の街灯りになり現実に戻るようなら気になる。ビールを飲んで寝る。


翌朝。娘が習い事にでかける「行ってくるよ」の声を聞いた気がしたけど、そのまままた寝てしまい、起きたら昼前だった。窓を開けると強い風が入ってくる。とても心地いい風。今日から春だな、と思い、布団を干す。そして、掃除機をかけたり、トイレや風呂を掃除したり、散らかった諸々を整理する。


なんやかんやで2時過ぎになり、近所を散策。入ったことのなかった椿山荘の中を歩いてみる。箱庭のような庭園。小さい五重塔もある。


それから隣の東京カテドラル大聖堂へ。僕はキリスト教に熱心なわけではないけれど、この建物が好き。中に入ると、目の前に大きな十字架が見えて、自然光が少し入ってくる光と少しの明かりとりだけの空間。コンクリート打ちっ放しで冷たく感じるのが、余計に荘厳な雰囲気になって、言葉一つ発するのも躊躇する。椅子に座ってしばらくぼんやりするとなんだか不思議と落ち着く。信仰心のようなものと言われるとそうなのかもしれないし、よくわからない。他にも何名か同じように座っている方々もいる。じっと前を見つめている。


夕方になって、娘や嫁と合流しようかと思ったら、外で食べてくるとのこと。パソコンを持ってきていたらどこかで仕事をしていたのだけど、携帯一つで出てきたので、散歩続行。江戸川橋から飯田橋へ向かい、そこから神保町まで。日が暮れていく町を歩いて、岩波ホールで映画『花咲くころ』を観る。14歳の2人の少女の物語。そういえば古谷実さんの作品とかいくつか、この時期の男の子を題材にした作品は知っているけれど、少女を題材にした作品はあまり見たことがなかったかも。彼女たちがくすぶって苛立つ背景には家族や恋、まわりの人たちとの関係性もあるのだろうけれど、自分の中にある爆発しそうななにかを抱えて生きていて、降って湧いたように手に入れた拳銃を、「なにかの時には」と懐に入れて、引き金に手をかけることはあってもしかし発射はさせず、使われないまま湖へ放り投げて終わるのは、グルジアだろうが日本だろうが、どこに住もうが14歳が抱える何かなのかもしれない。それとは別に世界が戦争や内戦に向かおうとも。