東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『穏やかな日曜日』

今日は久しぶりにゆっくり起きてのんびりした。嫁と娘の体調も良くなってきて元気になってきたので、ここらでカレーでも作ろうと思い、買い物にでかける。スーパーで人参やらジャガイモを買う。ジャガイモは奮発(というほどでもないけれど)して新ジャガを購入。他にも買い物をいろいろして大荷物になる。とはいえ、買い物をしつつ、近所の大鳥神社鬼子母神にも立ち寄る。参拝している人たちの中に、小さいお子さんを連れて記念写真を撮っている家族連れがいたり、車いすに乗るご老人がいたりする。大鳥神社でお参りをする僕の前に並んでいる人たちも車いすの方だった。老人ホームのスタッフと思われる男性が車いすを押していた。ご老人はゆっくりとお参りをしていた。なぜだか通り道でもそういうご年配の方がいらっしゃって、不思議とそういう人をたくさん見た。

野菜を切るのを手伝ってくれるというので、娘に人参やじゃがいもを切ってもらい、僕は玉ねぎを切って、茶色くなるまでゆっくり炒める。ショウガとニンニクも刻んでいれる。それから豚肉とじゃがいも、人参をいれて、煮るときは灰汁を丁寧にとる。そうやってグツグツ似ている間に、娘がやっている漢字のドリルの採点をする。娘、なぜか「谷」が書けてない。

カレーは無事、完成したけど食べるのは夜に回す。それから掃除をしてぼんやりしていると、嫁と娘が何かしらで口論して、娘が不貞寝をする。嫁から神社の境内でコーヒーやホットサンドを販売している移動販売車が停まっているのでコーヒーを買おうと言われたので、一緒に行くのかと思いきや、「私はまだインフルエンザAの潜伏期間だから」という理由で買い物に一緒に行くのを断られる。娘を誘っても「いかない」というので、一人で外へ出る支度をする。と、その移動販売の営業が今日は終わったという情報が入る。せっかくでかける準備をしていたので、少し外に出て空気を吸う。で、娘が持っている竹馬をやろうと思いたち、竹馬を持って近所の車通りの少ない通りへ。竹馬をするのは久しぶり。バランスを取るのも難しいけれど、手足を同時に同じ向きのものを出すことを、身体が慣れず苦戦する。それで、勝手に、竹馬ってナンバ走りと同じで、左右同じ手足を出すのだなぁと思う。当然、強引なつなげ方だけど、つまるところ、やはりかつては、人はそうやって歩いていて、だから竹馬とかも簡単にできるのだろうかと思ってみたり。しばらく竹馬をしているとそれで汗ばむくらいだった。

家に戻ってから、娘と映画を観る。『アーロと少年』。良い映画。ピクサー作品は設定の作り方が本当に面白い。恐竜が絶滅せず、トウモロコシを作る定住生活をしたり、牛追いのさながらカウボーイくらしなどをしていたりする。日本版のタイトルにもなっている少年も出てくるけれど、少年は人間と猿の中間のような生き物で、映画の中では主人公の恐竜と大切な友情つながっているけれど、どちらかというと飼い主とペットのような間柄。そういった発想がまず面白い。そして、その設定なのに、奇をてらうということではなく、物語自体は、一つの旅と、多くの出会い、経験を通じて、一匹の恐竜が成長していくドラマで、恐竜の姿をした主人公の成長物語として、人間が観ても(あたりまえだけど)、きちんと共感できるように描いている。

クライマックスの別れのシーンは、涙もろくなった中年にとっては止められないほど良いシーン。そのうえ、さらにラストの主人公の恐竜アーロが旅から家に戻ってくる場面、遠くから歩いてくるアーロを、畑仕事をしている母親が気づくシーン。母親は遠くに見える姿を父親(つまり自分の愛する亡き夫)と見間違えて父親の名前が口にでてしまう。そのさりげない一言で、アーロが成長したことを示すとても見事なシーンだった。

夜はカレーを食べる。結果、僕が一番食べていた。そういう風にして、穏やかな日曜が過ぎていく。