東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『あなたの顔』

朝、起きたら快晴。起きてごみを捨てる。気持ち良い。仕事があり、早目に起きて車で出かける。BGMはodolの『虹の端』。僕は一度、夢中になると同じ曲ばかり繰り返し聴く癖がある。月曜の朝だけど少し早いせいもあるのか、道路は混んでおらずスムーズに移動できる。それにしても快晴で気持ち良い。

その後、事務所に戻っていろいろ仕事。早く起きたので、途中少し眠気にも襲われるが、やらねばならぬことも多く、それどころではない。実は、昨日、久しぶりにシアターイメージフォーラムに行った際、大好きなツァイ・ミンリャン監督の新作ドキュメンタリーがかかっていることを知ったので、いてもたってもいられなかった。しかも、シアターイメージフォーラムは月曜が一律1200円の日らしく、これはもう観ろと言われているとしか考えられない。

ツァイ・ミンリャン『あなたの顔』。どういう指示が監督からあるのか、被写体となる様々な人々はカメラの前で何をするでもなく茫然としていたり、戸惑うように目線をきょろきょろさせたり、おそらく照明の暖かさに眠りかけたり、眠ってしまったりと、様々な表情を見せる。『あなたの人生の話を聞かせてください』という主題はあるのだと思うけれど、それを実際に語るのは13人の登場人物のうち数名で、あとはその人の顔だけが大写しでスクリーンに出現する。一人のご年配の女性は口紅もして、外向きのおめかしをした装いで登場しているものの、何もせずにカメラの前に立たされていることに戸惑っている。何か声をかけても良いのだろうが、監督やスタッフは誰も声をかけない。ある程度とはいえ、数名のスタッフがカメラを置いて、じっと被写体の人たちを見ているというのは、緊張するだろうなぁと想像する。ひたすら顔を映す。その徹底したこだわり。そして、俳優のリーカンションさん。独特の雰囲気がある。映画のラスト、インタビューをしていた空間を引きの画で撮影。坂本龍一さんの音楽が流れる。あれはどうやっているのだろう。窓から入る光の当たり方によって空間全体の色合いが呼吸をしているように表情を変える。照明で調整しているのだろうか。それとも陽の光が偶然にいろいろと変わっていったタイミングだったのか。ツァイ・ミンリャン監督の画だなぁと思える長回しの画。昨日の『凱里ブルース』と同様に時間の考え方を揺さぶられる。

劇場を出てふーっと一息。少しばかり蒸し暑く、歩くとちょっと暑い。