祝日の月曜。朝、普段通り起きて、燃えるゴミを捨てる。それから思い立って、池袋へ行き、西武線に乗る。飯能まで行き、そこから西武秩父行きの電車で秩父へ。なんとなく山っぽいところに行きたく、当初は三峯神社を目指してみようとおもったのだけど、そこからさらにバスで70分以上移動ということで、やめて、秩父の近くを散策。
いつだったか、12月の秩父夜祭に行ったことはあったけれど、それ以外は歩いたことは無かった気がする。秩父神社へ。鳥居は真南にあり、正面のはるか先には北極星が位置するような場所に神社が置かれている。全体的に色合いの鮮やかな作り。日光の東照宮ともゆかりのある神社とのことで、そこにある見ざる・言わざる・聞かざるとは対照的な、よく見て・よく聞いて・よく話す、その名もお元気三猿という彫り物がある。それはさぞ元気なのだろうと思う。
日中は陽が照り付けて暑く、その中をふらふら歩く。駅前の商店街の一部に、昔ながらの石造りの建物が残っていて、今もカフェ営業をしている。角地にあるその建物のやわらかい曲線の構造がなんとも良い。
それから秩父鉄道で移動。途中、皆野市を通過する。かつて、そこの町を題材にしたお芝居を作ったこともあった。その作品をつくるために、友人たちと車でロケハンに来たのもずいぶん昔のこと。
それから宝登山神社へ行ってみる。長瀞駅からゆるやかな坂道を歩く。ゆるい坂ながらじわじわときつく汗も出る。鳥居を抜けて、本殿の方へ歩いていくと、樹々に囲まれているからか、急に暑さがやわらいできた気がする。かつてその山は、狐などの山に住む生き物たちが、山火事が拡がるのを止めたという逸話があり、そこから炎止(ほど)という言葉で語られて、そこから、宝登(ほど)になったのだという。そういう由来を聞くのも面白い。
なんやかんやと日が暮れて、電車で帰路。日がゆっくりと沈んでいき、空が橙色からゆっくりと群青に変わっていく。夏空に雲がまるで大きな龍の口を開けているような形をしている。長瀞駅から乗った電車に、駆け込むように高校生くらいの女の子が走りこんできた。龍のような雲にはまったく興味も無いように、スマホをいじり、途中にのどかな駅で、すっと降りて行った。アルバイトでもして、帰宅する途中だったのだろうか。そこに暮らす人にとっては、あたりまえのような夏の夕方なのだと思う。
暑い中、一日歩いて、さすがに疲れて、帰りの電車は眠っていたら、あっという間に池袋へ。引き続き蒸し暑い夜。