東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

千鳥日記『パソコンに関して無知だった』

■ 今月は土曜に日勤がある。というわけで今は職場。今朝、会社へ向かう電車の中で鼻水が止まらなかった。風邪とは違う。花粉症だ。ついに来た。去年あたりから春先にコンタクトを装着すると、目がしょぼしょぼする症状がでた。今年はついに鼻にきた。鼻水が止まらない。齢25歳、もうすぐ26歳。ついに花粉症持ちか。これからどんだけ生きるのか分からないけれど、これと一生付き合っていかなければいけないのか。うんざりだ。問題はこの症状が今後どのようになっていくかだ。さしあたり4月の芝居に支障がでなければいいけれども。

■ 話は変わって今月末に大阪へ行くことになった。ラジオをやっていた頃のメンバーと会うためだ。大阪が集合場所になったのは今回の集まる主旨が日本の西側に住むメンバーのいろいろな門出を祝う会だから。就職祝いや結婚祝いらしい。大阪初上陸。かつて西日本縦断の旅をしたときに、実は大阪はスルーした。京都から車で走ると、どの国道だったか忘れたが大阪の上の方をかすめて兵庫県に入る国道があり、僕はその時、その道で大渋滞に巻き込まれていた。ここを左に曲がれば大阪へ向かうという交差点に差し掛かるまでは、なんとなく大阪に行こうと思っていたが、踏みとどまったのは大阪へ向かう車の大半がなんだか怖いつくりの車だったから。

■ 奈良や京都はまったくそんなことを感じなかったのだけど、大阪は正直怖い気がした。特に車で中心地に向かう気力がなかった。帯広ナンバーで、布団や洋服を満載していた古い軽自動車で旅をしていた僕に、梅田や難波を走る勇気がなかった。そういうわけで今回初上陸だ。ついに大阪。もう一つ初めての経験がある。移動手段に深夜バスを使うことだ。新幹線や飛行機、フェリー、自分の車での旅は経験したことがある。しかし深夜バスは使ったことがなかった。深夜バスを利用した友人に聞くとの大半がこう口にする。

「安いけど、しんどい」

確かに運転をしなくてよいとはいっても、ずいぶんな時間同じ姿勢で座ってなければいけないのだ。深夜バスも一度は経験しておかなければ。何より安い。今回予約したバスは東京―大阪間を往復で11700円だ。探せばもっと安く行けるバスもある。これは魅力だ。どういったことになるかは、その時までのお楽しみだ。

■ 旅に関しては奈良に住むYしゃんにいろいろお世話になりそうで、ここ数日メールでいろいろやりとりをした。行くのが本当に楽しみだ。BBSにA管理人も行くような行かないようことが書いてあったが、どうするのだろう。大型免許の取得に忙しいか。むろん、ラジオをやったメンバー全員が来れるわけではないらしいが、それは残念だけど仕方が無い。なにせ住んでいるところがバラバラだし、それぞれの事情もある。なんにしても大阪。楽しみだ。

■ 芝居の件で一つ。お願いしていた制作さんに辞めてもらうことになった。Oさんの提案だ。もともとその制作さんはOさんの知り合いらしく、かなり仕事が出来る人だった。何よりも現場をよく知っている。経験こそものを言う。しかし、最近他の劇団との掛け持ちで忙しいそうだ。忙しいのは仕方が無い。問題は連絡がまったく付かないこと。メールが当然となった今の時代、手が離せなくてもメールの一つくらい返信できるはずだ。チラシやチケットのことでOさんがいくらメールしても、まったく返信が返ってこないらしい。ここ2週間ばかり。それはなんだか駄目だ。もともと連絡面に関してはルーズなところがある人だそうだ。まだ今はそれでも問題ない。しかし本番が近づいても、その状態が続いてしまうのならば、これはちょっとまずい。ならば今のうちからきちんと手を打とうということで辞めてもらうことになった。

■ 何よりもOさんの素早い決断に頭が下がる。気持ちがいいくらい潔い。芝居に関することは、商業ベースにならないと、その集団のプロ意識はかなり低いことが多い。そんな現場はいくらでもある。そういう現場から、いい芝居は生まれづらい。ナァナァでやるならそれでもいい。その集団がそれでいいなら、外部が口出す必要は無い。しかし少しでもプロ意識を持ってやるなら、やらなければいけないことが出てくる。それをきちんと出来ない、出来る意思を示さない人は、そこから排除されても仕方が無い。まぁ芝居以前に、必要な連絡を返さないというのは人間的に駄目だろう。

■ で、そのOさんから僕に提案。僕は会社でしかネットに繋がったパソコンを見られない。個人で所有していないから。外部に対する発信手段は携帯電話のメールしかない。そんな僕にOさんからこんなメールが来た。

『松瀬とパソコンデータのやり取りって何を使えば出来るのかな。私はFDは使えないんだけど、例えば、USBフラッシュメモリーとかは?時間があるとき電気屋さんで見てみて。』

このメールの意味がまったく分からなかった。これは一体何を言っているのか。FDってなんだ。USBフラッシュメモリーってなんだ。それがあるとネット環境がなくてもパソコンのやり取りができるのか。ブログにしても更新の全てをA管理人に任せているようなパソコン無知の僕には、このメールを理解することは出来なかった。「わかりません」としか返信できなかった。

■ 思えば、畜大で芝居をしているときはなんて楽だったか。みんな近所に住んでいた。連絡は簡単に取り合えた。稽古場は大学構内の学館だった。近かった。僕が書いた手書きの汚い台本をみんな文句の一つくらいしか言わず読んでいた。A管理人だけが手書きに耐えられず、自分専用に台本をパソコンで打ち直していたが。しかし、そんなことを言っている場合ではない。お互い密に連絡を取り合うために必要なのだ。パソコンデータのやり取りに関しては、今度稽古に行くときにいろいろ話し合ってみる。パソコンのことについてもいろいろアドバイスを貰おう。いっそネット環境を整えればいいのか。しかし金がねぇ。

内田百輭『東京日記』(岩波文庫)読了。普通の日常に突如入り込んでくる、怪異な世界を書いた傑作短編集。文章は徹底的に一人称で書かれる。『私』以外の人の心情は、『私』の目を通してでしか描かれない。だからこそ想像が膨らむ。刺激的な文章だ。その手つきや目線にとても惹かれる。