東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『佐賀の気質』

■ 大学の同期のIから催促のメールが来たのでした。というのも6月の後半にあるIの結婚式の出欠はがきを僕が出していないから。忘れていた。最近のバタバタで。というかはがきが着ていることも気付かなかった。メールによると提出期限は4月の20日だったそうだ。間に合っていなかった。謝ってから出席する旨をメールで伝えた。

■ この結婚式が大阪である。また大阪だ。今まで26年生きてきて25年ばかり一度も足を踏み入れたことがなかった土地に今年の2月に初めて行ったと思いきや、またもや6月に訪れることになる。なんだか面白いもんだ。せっかく西日本に行くのだからできればのんびりしたいところなんだけれども、どうしたもんか。まだちょっと先のことだからと何の計画も立てずにのんびり構えている。深夜バスは安いんだけれども風景を楽しめないのが残念だ。道中の旅の楽しさが半減してしまう。まして前回のようなものすごくシートを下げてくる一族が前に座られた日には半減どころか切ないことになる。まぁどういう風になるにせよ楽しいことになればいい。

■ で、話はかわる。興味深いその話を聞いたのはこの前の公演の2日目の夜で、芝居を観に来てくれた友人のMくんと新宿でお酒を飲んでいた時のことだった。Mくんと話すときはいつも僕がお芝居の話を夢中になってしてしまう。なんだろうか、話しやすさとかもあるのかもしれない。この前もなんだか恥ずかしくなるくらい夢中でいろいろ話していた。するとそんな僕を見てMくんが言った。

「いやー佐賀の人って感じですよね」

最初、なんのことかよく分からなかった。Mくんが言うにはなんでも司馬遼太郎さんの本で佐賀の人たちは物事を理論立てて考えてからでないと行動できない人が多いということが書いてあったらしい。だから幕末、薩摩など九州の人たちが活躍している中で佐賀藩だけそんなに成果をあげることができなかったのは、いろんなことをまずはきちんと理論だてて決めようとして話し合ってるうちにあらゆることから乗り遅れてしまったらしいとのこと。なるほど、うちは確かに父が佐賀出身だ。うちの父や亡くなってしまった祖父は普段は無口だがしゃべり始めると理論的かどうかは抜きにしてよく話す。もしかしたらそういう血が僕にも流れているのかもしれない。が、Mくんの言っていたニュアンスは決して褒め言葉ではなかった気がするがまぁこの際それは気にすまい。しかしそんな性格が佐賀気質にあるというのは知らなかった。それにしても司馬遼太郎か。恥ずかしいことに実は司馬遼太郎さんの本は一冊も読んだことがない。なんといいますか、偏見なんですが時代劇というものにどうも興味が湧かない。『坂の上の雲』とかはとても興味があるんだけれども。
■ で、今はこの前買った『東京スタディーズ』(紀伊国屋書店)に夢中だ。本当に面白い。まさに今2005年の東京という土地をいろいろなジャンルの人がいろいろな分野から考察している。まだ少ししか読んでいないんだけれども、例えばお台場と渋谷の違いや、六本木ヒルズ東京ディズニーランドとの比較など建築の分野に疎い僕でもなるほどと思いながら楽しく読める。この前歩いた新大久保駅周辺のアジアの人たちが多い場所についての文章もあり、自分としてもとてもタイムリーな話だったのでとても興味深く読めた。いやはや楽しい本を手に入れることができた。とにかく今、僕は東京という土地に夢中だ。