東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

千鳥日記『迷う人たち』

■ 昨日、稽古を終えて家に帰ったらある連続ドラマが放送されていて、山田孝之という役者が出ていた。ドラマ自体は正直、少しも面白くない感じだったけれども、それはそれまでの流れを知らないからなのかもしれないし、よく分からない。

■ ただ山田孝之が気になった。あの俳優はなんだか困った顔がよく似合う。というか僕が彼をテレビで見るとき、彼は大体、困っている。ちょっと太目の眉毛で、はっきりした眼の青年がところ狭しと困っている。おそらくこの連ドラでも毎週、たくさん迷っていたのではないだろうか。すくなくとも週に1回は彼の迷い様を視聴者は目撃していたのではないだろうか。ドラマだけかと思いきや、東京メトロという地下鉄のCMでも彼は外人に東京の名所を聞かれて困ってみたり、巨大なパソコンのはりぼてを持って地下鉄をうろうろしていたりしている。このCMは性質上、関東圏でしか流れてないだろうから他府県の方にはまったく理解不能だろうけれども。とにかく彼は概ね迷っている。

■ よく分からないけれど、彼はそういった迷いキャラとしてテレビ業界で需要がある人なのかもしれない。なにせ顔から『迷い』のオーラが滲み出ている。毛穴の一つひとつに迷いがみっちり詰まっているのではなかろうかと思わんばかりだ。いや、それは言いすぎだけれども。せっかくだから今後もいろいろと迷ってもらいたい。恋や人生に迷ってばかりではなく、なんだったら夕食の献立に迷ったり、掘り出し物を発見して買うか買わないか迷ってみたり、路頭に迷ってみたり、ありとあらゆる『迷い』をこなして欲しい。そういった感じで『迷い』キャラを確立させていただきたい。

山田孝之に負けず劣らず迷っていたのが、先日観た『エターナルサンシャイン』に出演していたイライジャ・ウッドという俳優だ。彼と山田孝之が私の中ですごい似ている。主に眼の感じなのかもしれないけれども。全体を包むオーラが似ている。で、やっぱり彼も迷っている。本編にも関わることになってしまうのだけれども、イライジャは主人公の彼女を自分の彼女のしようと姑息な手段を使いながら彼女に近付く。そして近づけたはいいが、その彼女に振り回されて迷っている。冒頭、彼の登場シーン、彼はいきなりものすごく迷った顔をしてでてくる。この困り顔がまた『迷い』キャラの名に恥じない。『迷い』100%の顔をしている。とても魅力的に迷っていた。迷いフェチにはたまらない迷いっぷりだったのではなかろうか。

■ 『エターナルサンシャイン』を観ていない方には『ロード・オブ・ザ・リング』の主人公のフロドというホビット役と言えばピンとくるだろうか。そういえば『ロード〜』でも彼は一人でめちゃくちゃ迷っていた。眉毛はどんどん尻下がりになっていった。日本の『迷い』キャラが山田孝之ならば、イライジャはアメリカの『迷い』キャラではなかろうか。今後も彼らにはより一層迷っていただきたいと心から願う。

■ 昨日の稽古は自主練。Yくんと2人でくだらないことをいろいろやってみる。おとといの稽古で一度不採用になったネタも諦めずに稽古してみた。しつこいと思われない程度にプレゼンを繰り返してみようかなと企てている。まぁ出来る限りいろいろ挑戦してみたい。