東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『埼京生活始まる』

■ というわけで今日からこの日記を『埼京生活』と銘打ちます。埼京とはJR埼京線という大宮〜大崎間を走る路線で、赤羽から東京に入り池袋、新宿、渋谷を通る路線から取りました。稽古の都合上、僕は1月から今までこの電車を頻繁に使っていた。埼玉に住む人にとってこの埼京線は新宿へ向かう手段の一つだ。だからこの電車は埼玉から新宿へ向かう人でいつも混んでいる。朝はひどい。その電車の中でぎゅうぎゅうになりながら、新宿までたどり着くと途端にほとんどの人が降りる。電車をぎゅうぎゅうにしていた人々が新宿へ流れ込む。新宿がその途方も無い数の人々を飲み込んで存在している。いつも思う。どれほどの人の存在が新宿を成り立たせているのだろう。とにかく僕は稽古が終わったがこれからも埼京線に乗り続ける日々を送ろうと思っている。新宿を歩く。新宿を通る。埼玉から新宿へ。そこから何かを見つけられればいいなと思っている。そんな日々の記録。

■ 昨日は仕事の研修でお台場へ行った。お台場の本社のあるビルは別館と違って華やいだ雰囲気だ。人も多い。一日だけですべての仕事を理解できるわけではないが、流れだけでもきちんと把握できるようにしておく。普段は電話でしかやりとりをしない人たちと面と向かっていろいろ話す。それはそれで新鮮な経験だ。

■ 研修を終えてから銀座へ向かう。仕事先の上司でこの前の芝居を観に来てくれたYさんが、芝居が無事終わった祝いをしてくれるというのでご馳走になる。Yさんが連れて行ってくれた店はとてもモダンな雰囲気で、食事をしているとお店に作られているちょっとした舞台でそのお店の専属歌手が歌を唄ったりするお店だ。Yさんが懇意にしているソプラノ歌手の方の歌声はとてもきれいだった。「からたちの花」や「夜来香」などを唄っていたが高音のその声はお酒で酔った僕にとても心地よかった。本当に素敵だった。このお店は何かお客さんに何かお祝い事がある場合、自己申告してくれたらシャンパンをサービスしてくれるそうで、Yさんは「舞台が無事に終わったので」としっかり自己ではないが申告していて、僕はその歌手の方々にシャンパンを振舞われたりしてしまった。そのうえ、何か歌を一曲リクエストできるよと突然言われて、そんな場合何をリクエストしていいのかまったくわからず混乱する。それまでに唄っていた歌のジャンルや店の雰囲気、フル回転させた頭が思いついた曲は「テネシーワルツ」だった。僕が闇雲に言ったその曲をクラリネット奏者の方は意図も簡単に、そして素敵に弾いてくれた。それもまたとても素敵だった。とにかく楽しい夜を過ごさせてもらった。

■ 今日。生憎の雨。なんだか最近雨が多い。夜勤なので少し遅めに起きてから渋谷へ向かう。もちろん埼京線に乗って。シネセゾン渋谷で上映しているジム・ジャームッシュ監督作品「コーヒー&シガレッツ」を観る。かっこいい映画だ。話も音楽もかっこいい。出演している役者の方々もみんなカッコいい。煙草やコーヒーがこうもかっこよくはまるのは日本人ではなかなかいないんではないだろうか。アメリカの人たちが持つ雰囲気。かっこよさがいっぱい詰まっている映画だ。

■ その後、渋谷の本屋へ。吾妻ひでおさんの「失踪日記」(イースト・プレス)を立ち読みする。すごく丸い感じの漫画なのになんて壮絶なことになっているのだろうか。実話だって言うから驚く。それから気になっていた本「東京スタディーズ」(紀伊国屋書店)を購入。東京の色々な場所を様々な人が様々な観点から分析している。まえがきにはこう書いてある。

『この本は、東京という具体的な歳を対象として複数の場所と視点から読み解き、自分の足で歩き、それらをめぐる言葉と思考へと誘うガイドブックであることを目指している』

期待はいやがうえにも高まる。新宿に重点を置きながらも東京をいろんな視点から勉強していきたい。この本がその取っ掛かりになってくれればいいなと思う。その他にも例えばJR新宿駅の歴史とかも知りたいなとか考えている。また連載が終わってしまった中沢新一さんの「アースダイバー」ももう一度読み直そうと思っている。東京を知る。インプットだ。どんどん勉強していこう。それが僕の「埼京生活」だ。