東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『それこそ演劇』

■ 岡山に住む大学時代の同期から手紙が来た。中には写真も同封されていた。かつてあったその同期の結婚式に出席した時の写真だった。写真の中で、同期も、僕も、他に出席した友人たちも、みんな笑っていた。僕は、酔っ払って顔を紅くしながら、ネクタイをあたまに結んで笑ってる。やっちゃってたな、そういえば。駄目な笑顔だなぁと思いつつも、その時の歓びが思い出される。


■ 大学時代、お世話になった帯広を拠点に活動を続けている演研という劇団がある。僕らの世代とはひとまわり以上も年齢差がある人たちの集まりだったけど、公演があるたびに僕らの芝居を観に来てくれたし、僕らもその劇団の芝居を観に行っていた。主宰の方が喫茶店を経営されていて、その喫茶店にたまに出入りしては、コーヒーを飲みつつ話をしたこともあった。今日、久しぶりになんとなくその劇団のホームページを見て、驚いた、というか、素直に感動した。主宰の方がやっている喫茶店の上の階に自分達の活動のためのスタジオを作っているのだという。それも自分達の手で。当然、専門の方の手も借りているが、何よりもその行動力に驚かされた。


考える。演劇活動の拠点は、なにも都市部だけのものではない。どこでだってやれる。ようは「どう、やるか」だ。それは今の資本にうまくのっかるとかではなくて(そういう考え方も否定しないけど)。演研の活動こそが、「演劇」だと思う。芝居を上演するだけではなくて、稽古をやるだけではなくて、もっと大きなくくりの「演劇」がそこにはあって、それを東京とは異なる場所で、誤解を招くかもしれないけど、一地方都市で続けているところに、「演劇」だから可能な新たな共同体における活動の仕方の可能性を感じる。決して大袈裟な言い方ではなくて。まぁ、単純に刺激的だと思うわけでして。ほんと、そう思う。