東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『新宿という街/やわらかい質感』

tokyomoon2008-07-24

■仕事が終わった後に、新宿のアルタ前近くで人を待つために立っていたら「すいません」と片言の日本語で声をかけられた。見ると40代くらいの女性。韓国から来たとのことで、このあたりでオススメの観光スポットはないだろうかと聞いてきた。それで新宿で勧めるべき所があるかと考えてみたけれど思いつかない。広場の様な場所はないかと聞かれたけれど、新宿御苑も閉園の時間だし、そもそも新宿御苑を観光地として勧めるべきかも疑問だった。結果的に、そういう観光スポットはないですと返事をするしかなかった。

他の国の人たちから見ると新宿とはどういう街なのだろう。さらに言うと日本とは。銀座とか浅草ならばきっと観光地として、イメージされる日本があるのだろうけれど。

僕個人の意見としては、観光地としての魅力はなくても、新宿にはもっと他の魅力はあると思うけれど。それはガイドブックにあるような定められた場所ではなくて、街を歩いている時に感じる空気感というか。


■で、その後、新しくオープンしたピカデリーで『崖の上のポニョ』を観た。レイトショー万歳。

表現としての過剰さ(例えば汗とか涙とか)が前二作あたりから際立って来たと思ったけど、より一層過剰になっていた。もう現実と空想の境い無し。そういう意味でのリアリティは全然考えてないんだろうな。如何に自分が表現したい質感、輪郭を追求出来るかに徹しているように思える。それこそ『ポニョ』という語幹の持つ丸さと柔らかさを持ったような質感。ストーリーとか環境に関するどうのこうのとかそういうところはどうでもいい。スクリーン全面に溢れ出ている『ポニョ』という質感を体感することがこの映画を観る愉楽だと思う。