東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『野村萬斎さんの言葉』

仕事の諸々があって、久しぶりに『日経エンタテインメント』という雑誌を購入した。以前、別の職場で働いていた際に、会社でその雑誌を定期購読していて、よく読んでいた。確か松本人志さんが映画のコラムを書いていた。

たまたま買った、1/4号に野村萬斎さんとイモトアヤコさんの対談があり、そこで野村萬斎さんの演技論が少しばかり語られていて、それが本当に興味深かった。以下、抜粋して引用。

『お芝居って“感情”の表現だと捉えられがちだけど、たくさんの手法があるんです。型は何百年もかけて先人たちが作り上げてきた技術ですから、方法論としてはとても洗練されています。本当にその様式を使いこなせればすごく有用。例えば、「怒る」芝居をするとき、まずは腕を振り上げる動作をします。“怒り”の動作から入ることで、その後に怒りの感情がついてくる。
(中略)
「何を言っているんだ、あなたは!」という怒りのセリフがあったとします。これを感情だけにまかせて発すると、ヒステリックになったり怒鳴ったりするだけで終わる。そこを「肚に耐える」「肚に戻す」という作業をして咀嚼し、落ち着いて「何を言っているんだ、あなたは」と発する。よほど伝わりますよね。
(中略)
狂言は物心つく前に型の世界にはめられるわけですから、それは自我を捨てる稽古です。師匠と同じことをして学びますから、要するに「人のふんどしを借りて続けて」今があるわけですね。型を継承して基本技術を習得して初めて、その技術を使って個性を発揮するのが私たちのあり方です。』

感情から入らない演技論。とてもしっくりくる。こういう考え方が、ずっと昔から口伝えで受け継がれていることが本当に驚く。そしてその技術を体得したうえで、『個性を発揮する』と、ちゃんと自分の中で昇華させているところが野村萬斎さんのすごいところなのだと思う。

肉体が感情に影響を与えるということはあるだろうし、その逆で感情が肉体に与える影響もあると思う。ちょっと行き過ぎると精神論になってしまうかもしれないけれど、そうではなくて。それこそ、野村萬斎さんが言うように、まずは声を出すこと、口角を上げること。そうすることで笑顔になり、気持ちも笑えてくる、というような。


11日(土)。少しだけ仕事。ある場所で、ある本読みに参加。俳優の方々の声を聞くことは本当に面白い。いろいろな声があるけれど、良いなぁと思う声は確かにある。巧いとは異なる声の魅力。本読みに参加出来ることはとても得難い経験だ。聞くことで学ぶことがある。

その後、池袋で携帯を変える。僕は職場でiphoneを支給されており、個人で使用している携帯は、本当に使用しなくなった。通話料などのことも考えるといろいろ見直そうと、ひとまずスマートフォンを止めた。まぁ、そもそも少し前から、使用していた携帯の調子がすこぶる悪かったので見直すべきだとは思っていたので良い機会。それにしても、携帯を変える時に必ずといって付いてくるオプションというのは、どうかならないのか。imodeのオプションを5つ加入してもらえるといろいろ割引になります。で、加入してもらえたら、あとは解約してもらって構わないので、とくるあれ。つまり、最初の1回分の315円だけでも1人から取れれば、それで莫大な利益があるのだろう。その昔、子供の頃に世の中の人、1人1人から1円ずつもらえれば1億円もらえる、という馬鹿な発想をしていたことがあるけれど、あれをちょっとした強制力でやるようなものだ。で、契約したけど、すぐ解約していい、ってなってすぐ解約すると、それはつまり、相手側にも何も害はない。もちろん、そのまま契約を続けていても当然月額料収入があるし。いろいろ搾取されるだけだ。『お得ですよ』と言っても、実際は先方に利益が上がらなければ商売が成り立たないわけで、こちらはあくまで得したという気分だけを得るに過ぎない。


で、あと、いちいちの電話番号の移行などが本当に面倒くさい。スマートフォンからimodeへの移行は赤外線通信でしかできないらしく、それがまったく面倒くさい手間だ。何回も通信が中断しましたという表示が出る。果たして無事にデータが移行したのかもわからないけれど、もういいやと止めてしまった。


夜。娘を寝かすと一緒に寝てしまった。その際、「おとーは酒臭い」と飲んでも無いのにいわれる。哀し過ぎる事態。これはあれだ、父親離れは早そうだ。で、あまりにも早く寝てしまい、少し仕事を怠ったので、朝5時過ぎに起きて諸々作業。夜が明けてきて、気持ち良い。寒いけど、今日も晴れそうだ。