東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『ファッション感覚』

tokyomoon2017-05-18


先日、炭酸水のウィルキンソンを飲んでいると、職場の同僚から「ファッション感覚です」と言われた。味のない炭酸水を飲む根拠が、つまり流行りなのだとのこと。しかし、その同僚も炭酸水を飲んでおり、「君も飲んでいるじゃないか」と言うと、高らかに「僕のは伊藤園ですから」と言う。いや、それメーカーとかは関係ないじゃないかと思うし、そもそも伊藤園に失礼じゃないかとも思うが、そこはどうなのか。


さらに先日、仕事の合間に少し時間があり、新宿で時間をつぶす必要があった。普段はWi-Fi環境のある喫茶店「西武」を目指してしまうのだけど、その日は晴れて気持ちよかったので新宿御苑へ行き、芝生の上で本を読んだ。日差しも気持ち良く小一時間だったけどホッとする感じで、そのことをなんとなく同僚に伝えると、彼の表情が一変した。「それはやってはいけないファッション感覚ですよ」。


芝生。寝転ぶ。読書。ファッション感覚だという。なんとなく彼の言うファッション感覚という定義がわからないでもないが、彼がそれに対してなぜそこまで嫌悪する気持ちがあるのかわからない。時間があったのだ。晴れていたのだ。本を寝そべって読みたかったのだ。しかし彼には通じない。

「もしや、その時、持ち込んだ飲み物はスタバではないですよね」
「いや、スタバではないよ」

と答えると彼は安堵の表情を浮かべたが、次に僕が言う言葉が彼の表情を曇らせた。

「炭酸水を持っていったけどね」


ファッション感覚。難しい問題だ。