東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『サンタにまつわる問答』

年末に、仕事でなんだか東京を行ったりきたりする。豊洲や、日比谷だけでなく、普段はあまり行かない、中野や大久保のあたり。車で移動することもあれば、電車で移動することもある。日中の東京はどこもかしこも渋滞するのに、夜になると比較できないくらいスムーズに走れる。一方で、JRはいつもびっくりするほど混んでいる。東京は人が多い。当たり前のことを混雑する満員電車の中で実感する。いわゆる忘年会シーズンということで帰りの時間帯もわいわいしている人たちが多い。あまり忘年会というものとは無縁の仕事ばかりしているので、ぼんやりとその人たちの姿を観るばかりだが。この前、最寄り駅のホームで直立不動の姿勢で、見事なリバースをしている女性がいた。飲みすぎなのだろうが、なにゆえあれほどの直立不動なスタイルなのか。躊躇いが一切ないリバース過ぎて、人の消化器官の構造のシンプルさを思わずにはいられなかった。

話変わり、娘は今のところ、まだクリスマスプレゼントはサンタが届けてくれるものと信じており、嫁さんも信じているうちはサンタありきで物事を進めようという方針を掲げている。ということで、クリスマスプレゼントは何がいいか、サンタへの手紙という形で娘が書いたものを見て、チェックをする。今年は自転車だった。ということで、嫁がネットで希望する自転車に近いものを選び、それを購入。24日の夜にガレージにそれを用意しておき、夜に、枕元に「ガレージをみてごらん サンタより」的な手紙を置くという演出を施していた。25日の朝、起きた娘が手紙を見つけ、一緒にガレージへと向かう。しっかりと自転車が置いてあり、喜ぶ娘の姿を見て、めでたしめでたし、と思いきや、娘から突然、「サンタって本当にいるのかなぁ」と聞かれる。どうやら学校で、サンタはお父さんお母さんがやっていると吹聴するクラスメイトがいるらしい。世代を超えて、そういう子はクラスの中に何人もいる。まぁ、それはそれでなのだけど、もう一つ、娘がサンタ両親説を唱える理由が、「ガレージをみてごらん」の手紙にあったらしい。「この手紙の用紙がさあ、うちの家のプリンターの紙なんだよね」。と娘が言う。なんという鋭い指摘なのだろう。こういった物証のある問いかけを、早朝のガレージでいきなり聞かれた時の、正しい問答を教えてほしいものだ。僕は曖昧に「うちは違うと思うけどなぁ」と濁すしかできなかった。当然、娘はまったく飲み込めてない表情をしていた。が、まぁ、自転車はうれしがっていた。この分だと、来年はどんなスタンスで、彼女がサンタやクリスマスと向き合うのかわからないが、ひとまずのところ、そういう風にして、徐々に年を重ねていくのだろう。

あとで、嫁にそういった出来事のことを話したら、もっとうまい返しをしろよ、と言われたが、難しいものだ。いろいろまだまだ勉強をせねばならない。