東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『それぞれの立ち位置から/カレーを売る』

松尾スズキさんが、シアターコクーンの芸術監督として『コロナの荒野を前にして』という文章を書かれている。それを読む。なんというか松尾スズキさんの性格も相まって控えめな言葉遣いながらもコロナに向かって自分の、舞台を主戦場とされる方の立ち位置からの決意表明をされている印象。WOWOWで放送された『劇場の灯を消すな』という番組も観る。ある種の『できる範囲』ではありつつも、その中でできることをされている。その中で、根本宗子さんとの対談でリモート演劇について、「自分はどうもすんなり入れない」というようなことをおっしゃっていて、そこをさらりと受け入れられる世代と、そうではない世代の違いについても語れていて、そのあたりも興味深かった。同時期に、ナイロン100℃KERAさんも無観客配信劇や映像作品を発表しており、自分が若いころからずっと刺激を受け続けている方々、それぞれの立ち位置で作品を発信されていることが本当にすごいなぁと思う。

他にもいくつかドキュメンタリーを見る。『世界のドキュメンタリー キューブリックが語るキューブリック』。『映画で未来を変えようよ~大林宣彦から4人の監督へのメッセージ』。どちらも監督自身が自分の作品などを振り返るドキュメンタリー。大林宣彦さんは3.11後から自身も体験した太平洋戦争など、戦争を題材にした映画を作り続けた。『過去を変えることはできないが、未来を変える』と自分だからできる作品作りへのこだわりを知ることができる。その熱意。僕はまだ『この空の花』しか拝見できてない。『野のなななのか』も『花筐』も観なくては、と、強く思う。そして、塚本晋也監督に「僕は戦後の監督だけど、君は戦前の監督だ」とおっしゃったらしいが、そういう言葉にも、肌感覚として今、世の中が戦争へ向かっていることを感じることができてひやりとする。

土曜。天気は悪かったけれど、地元の神社の境内で行われたちょっとした行事ごとに手伝いで出かける。地元、雑司が谷の茄子を、練馬の農家の方が作ってくれ、それを販売する催し。嫁さんがよく行っている喫茶店『yurucafe』の店長さんのお力も借りて、そこで茄子を使ったカレーを売る。嫁さんが売り子となるので、僕も横で手伝うことに。天候があいにくの雨だったけれど、関係者周りの方など、ちょこちょこ購入してくれて少しバタバタ。一皿一皿、鍋で温めて、茄子のラタトゥユをトッピングして提供。少々辛いけれどしっかり美味しい。普段、なかなか販売をする立ち位置になることはないのでそれはそれで楽しい。学校終わりの娘も参加し、家族総出でカレーを売る。

午後3時に終了。来年もこの行事はやる予定らしいので、またやれたらいいなぁと思う。その後は、仕事にでかけて、23時頃、帰宅。一日、疲れた。