東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『生き死について少し思ったりする土曜』

土曜の朝。快晴。気持ちも良いので、台所やトイレ、風呂場をきれいに掃除する。それから掃除機をかけて、フローリングを水拭き。庭の草むしりなど。打ち水みたいにホースでアスファルトに水を撒くと光がキラキラして虹のように七色に光る。汗だくになったTシャツなど洗濯をして、それらをベランダに一気に干す。気持ち良い。

 

のんびりしていたので、音楽を聴きながらぼんやりしていると、娘がジェンガをやろうというので、一緒にやる。久しぶりにジェンガをやった。家にあるのも忘れていた。やり始めると面白いなぁと思いつつ。窓を開けていると風が入ってきて心地いい。BGMはハナレグミ

 

娘と嫁が学校の友達と用事があるというので、僕は敷物を持って新宿御苑へ行く。部屋にいるとエアコンをつけてしまうけれど、外にいると風が通って心地いい。15時過ぎとはいえ、まだまだ日も高いので、新宿御苑は人もそんなにいない。敷物は木陰に半分くらい入るようにして敷いて、リュックやペットボトルは日陰に置くようにする。日が当たる場所に、Tシャツを脱いで寝そべる。眩しい。いつも鞄にいれている安岡章太郎さんのエッセイを少し読んでから、保坂和志さんの小説『ハレルヤ』を読む。保坂さんの小説は、小説と呼んでいいのかもわからないほど身近な題材で、実際にご本人や飼い猫がでてきたりする。飼っていた猫の死に触れつつ、過去や今の出来事が、ご本人が思い出し、思いついた順に書いているように(もちろんそうではないだろうけれど)、連なっていく。不規則で突然あっちへいったりこっちへいったりする展開が、僕にはなんだか面白いというか、文章でしか表現できないように感じる。

 

とあるハリウッドなどで活躍していた俳優が42歳で癌でお亡くなりになったというネットニュースを知る。僕はその方の作品は、ハリウッドの大作ヒーローものでしか知らないののだけど、4年前から闘病していたというからその大作を撮り終えた前後からではないのか。自分とほぼ同世代の方の死は、病気というだけで本当に他人ごとではない。僕は面倒くさがりで検査もまったく行ってない。過信があるわけではなくて、単に面倒くさがっているだけなのだ。よくないなぁと思いつつ。

 

保坂和志さんの『ハレルヤ』は、愛猫の死を書いているが、その冒頭は竹取物語について触れている。あの作品が単なる童話ではなく、文学作品であるのは、月へ帰るということが死のメタファーであり、月へ帰ることが防げないのは、人の死もまた抗えないことと同様だからだと。愛猫の死の辛さを、多くの猫を看取ってきた保坂さんが書く文章が、余計に息苦しくなる。新宿御苑は、カップルや家族連れも多く来る。「来てよかったね」と話をしながらぼんやりと歩くカップルがいれば、芝生の上を追いかけっこする親子もいる。日が暮れるのが早くなってきて、少し陰ってきたと思ったらあれよあれよという間に日が暮れる。日陰に入ってしまうと半裸の自分がなんだか滑稽になる。空には相変わらず飛行機が飛んでいる。あんなでかいものがよく飛べるようなぁとは思うけれど、羽の上下を通る気流の流れがあるから飛ぶはずで、つまり紙飛行機と理屈は同じ。あとはジェットエンジンで前進する推進力を爆裂なエネルギーで出し続けるから飛ぶ。だから、飛び上がる時と、降りるときだけがパイロットの技術なんだ。紙飛行機と同じ理屈だと思うと、なんだか笑えてくる。あんな巨大なものに人をいれて飛ばそうって発想を、紙飛行機が飛ぶんだから、飛ばせる、と思えることの凄さ。閉園のお知らせが17時半に鳴り響く。いつの間にか、閉園が18時になっていた。少し前は19時だったのに。

 

それで、少し気分転換に、いつもは出ない大木戸門から出て、歩いて帰ろうと思った。四ッ谷との境目あたりの富久町あたりは入り組んだ住宅街で、昔ながらの家々がある。歩いていると銭湯も見つけた。ナウマン湯という謎のお風呂があり、それが気になった。若松河田あたりの住宅街をさらに直進すると、戸山公園近くへ出てくる。都営戸山ハイツという団地の中を歩くと、「蛇に注意」の看板がある。箱根山という小さな山があるのも面白い。空を見ると橙色の空。写メを撮ろうと思うけれど、うまくいかない。それから早稲田大学の横を通り過ぎて、目白の坂を上り、雑司が谷へ。1時間ほどの散歩。嫁に連絡をすると、まだ娘たちは遊んでいるというので、そこへ行く。スイカ割りをして、それから遊んでいた。僕もスイカをもらい食べる。甘くておいしい。幼稚園からの馴染みの友達とわいわい遊んでおり、いつの間にか、僕もそこにまじり、おいかけっこしたりジャンプをしたり、フラフープをして遊んだりする。子供たちは思いついたらすぐにゲームにして、みんなでいろいろ始める。そういうのは見ていると面白い。21時手前くらいで解散。夜ご飯を食べてなかったけど、スイカを結構食べてお腹がいっぱいになる。

 

家に帰り、なんとなくTVをつけながら筋トレをし、ぼんやりしていたら、そのままうとうとと寝てしまった。