東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『雨にならなかった日』

母が少しずつ元気になっており、元気になればいろいろなことが気になってきて、「あれはどうした」「これはどうした」と言ってくる。で、いろいろ。ひとまず、四十九日もあげてない父について、ひとまず位牌だけでもちゃんとせねばと、檀家で入らせてもらっているお寺さんに位牌の相談。それから、お願いしていた土地の相続に関して、税理士さんのところへ行き諸々最終的な手続きなど。父が亡くなってすぐにお願いしていたが、母が倒れて後手後手になっていた。ようやく終了。

そんな流れで、父方の祖母が、震災1年前の3月11日が命日だったのだと母から聞いた。そうだったか。忘れてしまっていた。ダメな話だ。祖母はとても元気な方で、佐賀の実家でずっと一人暮らしをしていた。佐賀の実家は、とても広く、昼も静かだけど、夜はさらに静かになる。奥の間には戦中、亡くなってしまった当日の親族の写真が飾ってあって、それがやけに怖い。トイレも家の端、遠くにあった。汲み取り式だったから家の端にあるのだろう。夜にトイレに行くときは、兄を起こして2人で行くか、あまりよそ見をせずに駆け足で、だけど音を立てずにトイレに駆け込んで、終わったら、手も洗わずに寝室に逃げ帰った。まぁ、それはそれで、別の話ではあるのだけど。

そういった手続きを終えた後、曳舟あたりまで行き、ネット環境のあるカフェで仕事。たまたま見つけたそこは、ユースホテルの1階のカフェで、電源もネット環境もあり、ドリンク1杯で結構、気楽に仕事ができて、とても有難い。おそらくホテルの使用者もそこで寛いでいるからだろうけれど、長居しても気まずい感じにならない。

というわけで、諸々仕事をして、一息。長くなった髪が鬱陶しくなり、髪を近くのお店で切る。何も考えずにネットで調べたのだけど、美容室ではなく、理容室だったようで、顔ぞりもしてくれた。久しぶりの感じ。髪が軽くなりさっぱり。隣のお客さんが理容師さんと世間話をしている。共通の友人のことのようで、なんだか、地元な感じだなぁと思う。で、浅草に斧を投げれるBARがあるという謎の会話もしていた。それは一体どんなサービスのBARなのか。

 

髪を切ったあと、当たり前だけどすっかり真っ暗。見上げると、スカイツリー。地元の人からすればもはや当たり前の風景なのだろう。スカイツリーの直下に小さな川が流れているが、その川べりが歩けるようになっていて散歩にも良い。ついつい上を見上げてしまう。近くに住んでいるのだろう、家族連れが散歩をしている。まだ歩き始めたばかりだと思われるお子さんが楽しそうに歩いている。スカイツリーがそこにある当たり前の生活の中で、生まれ育った場所として記憶されていくのだろう。

雨が降る予報があったけど、雨は降らなかった。実家の最寄り駅に着くと、普段よりは湿気が多い空気がなんだか良い匂いで、マスクを外して深呼吸しながら帰宅。