東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『千葉をまわってみる』

朝、少し早めから仕事。6時にアラームをかけていた。意外とすんなり起きれて、そこまで寒さも感じない。燃えるゴミを捨てて、仕事へ。さすがに電車も人は少ない。

朝8時くらいに仕事先の駅へ。駅前にたまにいく美味しいうどん屋があるのだけどそこは開いていた。よくみると営業時間が朝7時から。朝食にうどんを食べる人もいるのだと知る。

それから仕事少々。で、仕事が終わる。それから駅前の本屋へ。『東京人』という雑誌を買いたかったが見当たらなかった。

原武史さんの『最終列車』に影響を受けてなのだけど、ふと思い立って、在来線で少し遠くへ行ってみようと思い立つ。なぜだかJRでなくてはダメな気がして、渋谷で乗り換える。ふと、「蘇我」駅へ行きたいと思いついた。原さんのエッセイの中で、母親の訃報を聞き、母の住む「土気」駅へ向かう話がある。その中で、「蘇我」は「我れ、蘇る」という言葉の意味を持つというようなことを語っていて、そういう風に考えたこともなかったので、不思議な印象だった。渋谷から、地下鉄で新木場まで行き、そこから京葉線快速で「蘇我」へ行くルートが一番近いらしいのだけど、なぜか、JRで行かねばならない気がして、山手線で東京駅まで移動する。東京駅の、山手線から京葉線ホームはやたらと離れている。偏見のある言い方をすれば、利用者の大体の人は、東京ディズニーランドへ向かう人か、東京ディズニーランドから戻ってくる人だと思う。

新幹線口近くにある電光掲示板の案内で、2分後に出発する「蘇我」駅行きが表示されている。記憶によると新幹線口から京葉線ホームまで、2分で行けないような気がするけれど、表示されるなら間に合うのかと急ぎ目に歩く。結果、ギリギリ間に合ったけど、おそらく結構な早歩きの人でないと間に合わない。掲示板の表示のタイミング、調整した方が良いような気がする。

京葉線内を千葉方面へ。下りになるので、車内は空いている。そして、舞浜で大半降りる。「蘇我」まではかなりスムーズに着いた。海沿いで、工場地域が見える。思っていたよりも近い印象。そして、比較的、駅前も賑やかそう。とはいえ、改札からは出ずに、そのまま、外房線の「大網」駅行きに乗り換える。一気に車両数が減る。向かい合わせの4人掛け席があり、人も少なかったのでそこに座らせてもらう。近くの席に座っていた若い男の子が何故かジロジロとこちらを見ていた。

外房という名前ながら、序盤は内陸を走る。穏やかな田園地帯。田んぼの畝を歩く人たちがいる。寒いのに散歩しているのだろうか。「大網」駅に着くと、さらに乗り換える。「上総一ノ宮」駅行きの外房線が来る予定。到着まで20分ほどある。ぼんやりとホームで待っていたが、じっとしていると肌寒くなってきたので、改札階に降りる。掲示板などをぼんやりと眺めると、映画撮影のメッカとアピールしてる貼り紙がある。電車に乗ると引き続き、長閑な風景が広がるけれど、沿線に住宅街も多い。よく見る「上総」の由来がなんなのだろうとぼんやり考える。何にとっての上側なのか。向かいのシートにおそらく高校生くらいに見える女性が座っている。全身、NIKEの黒い服装。ずっとスマホをいじってる。僕はチェーホフの「ワーニャ伯父さん」を読んだり、外の風景を観たりしている。「上総一ノ宮」駅に到着。駅のホームに、サーフィン置き場があるのは驚いた。地図アプリを開くと、確かに少し歩いた先に、もう、太平洋が広がっているらしい。そして、そこから「木更津」駅行き、二両編成のワンマン電車が出ていた。「上総一ノ宮」という駅は東京へも向かえるのに、ここから「木更津」まで向かう電車に乗れるのか。結局のところ、どこからが外房で、どこからが内房なのか。地理感がよくわからないのでなんとも言えない。車両は、向かい合わせの4列シートが二つあり、他は、横並びのシートで、トイレも着いていた。僕は、4列シートの横にある、2人掛けの横並びのシートに座る。空いていれば、隣にリュックを、おけて専有できる。向かい側に、また先ほどのNIKEの服の女性が座った。てっきり、先ほどの「上総一ノ宮」で降りたのでそこに用があると思ったが。引き続き、女性はずっとスマホを見ている。それから、しばらく乗って、いつの間にか降りて行った。

海岸線沿いを2両の電車はゆっくりと走る。海沿いなのに、山に面している地形なのかトンネルが多い。海沿いの町はのんびりとしている。なんやかんや1時間半ほど、乗っている。その間、『ワーニャ叔父さん』を読んだり、外の風景を眺めたり。47歳のワーニャは、信頼していたはずのセレブリャーコフの態度を目の当たりにして、すっかり愚痴をこぼし、残りの人生を生きることに鬱屈した気持ちを吐露する。それでも生きて行かねばと、まだ若いソーニャに慰められる。「安房鴨川」という駅に到着すると、「しばらく停車します」というアナウンスが流れる。「出発は14時59分です」というので、時計を見ると、出発まで10分以上ある。この辺ののんびりとした感じは新鮮だった。外にでて、ホームでぼんやりする。ホームから見える風景。駅前にちょっとしたショッピングモールがあり、学習塾のようなものも見える。なんとなく見覚えがあるなぁと思ったのだけど、以前に北海道に出張した際、苫小牧の駅前となんとなく雰囲気が似ている。空は晴れて陽射しが出ていた。線路を挟んで隣のホームには、特急が停まっていた。車両の形は似ていたけれど、全席進行方向に向いた2席並びの、2列シート。僕が乗っている電車とは、反対方向、つまり、「上総一ノ宮」方面へ向かう電車だけれども、表示は「東京駅」となっている。つまり、東京へ向かうには、このまま木更津方面へ行くよりも、僕が来たルートの方が近いということなのだろう。よくよく調べると、この「安房鴨川」という駅が、外房と内房をちょうど区切る駅のようだった。昼も食べずに乗っていたので、お腹が空いたが、売店もなかったので、自販機でちょっと甘いドリンクを買う。イチゴミルクオレ。普段ならば絶対に買わない類のものなのだけど、なぜか妙に飲みたい気持ちだった。時間になり、また、ゆっくり電車は走り出す。「安房鴨川」から乗ってきたサラリーマン風の男性は、どこかで買ってきた総菜パンを食べながら、体を横向きに座り、窓の外を見ていた。高校生風の男の子は、通学で使っているのだろう、見慣れた風景には興味も持たず、漫画を夢中で読んでいた。そうやって、電車はゆっくりと海沿いを走り、やがて、また内陸へ。そうやって走り続けていると、僕もいつの間にか眠りに落ちていて、気が付いたら、結構人が乗っていた。それで「君津」駅へ到着。「乗換ができます」というアナウンス。向かいのホームに、藍色の総武線快速が停まっている。表示を見ると、久里浜行き。千葉の海沿いから、神奈川の海沿いまで走る。そろそろ帰る方向になっておかないとなと思い、そちらに乗り換える。2両編成の電車の方を振り返る。ホームにある電光掲示板を見ると、その2両編成は、ここで15分以上停車することになっていた。総武線快速は、快速なだけに、一気に袖ヶ浦、木更津などを通り過ぎ、いつの間にか千葉へ。そして、市川や小岩など、総武線と並行して走る。乗りなれてない僕からすると、この藍色の総武線快速が、なぜ総武線と呼ばれるのか、三鷹錦糸町などを走るいわゆる普通の総武線しか知らないと違和感があるのだけど、この辺を走ると、なるほどと実感する。小岩駅で、進行方向右側にスカイツリーが見えて、少し違和感。方向的にそっちに見えるのはなんでだろうと思う。走り出すと、線路は大きく左にカーブをする。それで次の停車駅、錦糸町駅では、スカイツリーは右手に見えるようになる。すっかり日は暮れてきて、ビルなどの建物の稜線をくっきりとさせる夕暮れになる。朝は雲が多かったのに、夕方は晴れて来た。錦糸町駅総武線に乗り換えて、御茶ノ水まで行き、中央線へ乗り換える。それで新宿まで行き、ようやく帰ってくる。楽しい電車の旅だった。ちょっとヤミツキになりそう。

少し余裕があったので、新宿で映画。「スパイダーマン ノーウェイホーム」。なるほど。これはネタバレ厳禁なのだろうな。お祭り感覚で観る感じかと思う。クライマックス近く、MJが自由の女神像から落ちる、万が一のところで助ける場面は、ずいぶんと時間が経った後ながら、あの映画の決してハッピーとは呼べない悲劇を、少し補完してくれる。そういう場面はグッとくるのだけれど、やはりちょっとマルチバースはどうなのかなぁと思ってしまう。死んだキャラも復活してしまうとするならば、じゃあ、エンドゲームの後始末もできてしまうのではないか、とか、あの最後の解決方法の有効範囲も、あそこまでやる必要はないのではないかとか、細かいところが気になってしまった。まぁ、総じて、エンタメとしては、こういったシリーズもの全盛の今としては、アリなのだろうとは思いつつ。

家に帰ったら、なんだか、さすがに疲れたけれど、娘と少しおはじきなどをする。筋トレしつつ、少し夜更かしして就寝。