東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『粮』

25日。晴れた朝。職場近くの桜も徐々に咲き出してる。午前中、事務作業をいろいろと片づけて、午後、とある話し合い。途中、なんだか、お芝居を見せられているような感じにもなりつつ、なんにせよ、何かしら結論がでてしまっているうえでの話し合いは、いかんともしがたい。そして、こういった業界のものごとは、いろいろ不確定で、何がどう転ぶかはわからず、ならば、ひとまず、転び方は自分で決めたいということもまた理解できる。

 

その後の報告的なことで、いろいろと消耗し、夕方以降の現場に行くのも憂鬱な気持ちになる。仕事が終わり、目黒川沿いをふらふらと歩き、少し咲き始めた桜を見れて、多少、元気が出た気がするものの、仕事は残っていたし、気持ちはどうにも晴れない。

 

26日。多少、ゆっくりしつつも、仕事で横浜の方に行かねばならなかったので、起きだして朝食を食べる。副都心線から直通で東横線横浜まで。少しだけ余裕をもって出たので、車内でパソコン作業。そうこうしているとあっという間に横浜に。そこから市営地下鉄へ乗り換える。毎回思うけど、市営地下鉄は普段乗っている東京メトロとは雰囲気が違う。都営線や関西方面の地下鉄に似ている。具体的に何がどう、と言われるとうまく説明できないのだけれども。

 

大岡山という地名は知っていたけれど、大岡川というのもあるとは。海へと続く川だけに川幅は市内を流れる川としては大きく、水量も豊富。川の両岸には補正された歩道に桜が植えてあり、場所によってはかなり花が咲いている木もある。風が少し強く、夜から雨が降るという予報。雨風で花が散らねばいいのだけれども。

 

日中は仕事。多くの人を観る。面白いのだけど、それはそれで疲れる。演技をするには、2種類の想像力が必要だとつくづく。演じる人物がどういう風に動くのかという想像と、想像した動きを実際に自分の身体で演じるための想像。両方が伴ってないと難しいけれど、多くの人がなかなか、それが備わっていない。

 

小さいコミュニティであっても、そこに集う人がいて、対話が生まれ、お芝居が作られていく。効率としては決して良くないだろう、共同体で作り上げる創作である演劇は、だからこその喜びがあり、僕は、やはりそれが好きだ。

 

昼食。仕事先近くの昔ながらの喫茶店ナポリタンを食べる。どうも最近、辛みを足さないと物足りなく感じてしまい、ナポリタンにタバスコを足す。で、仕事を終えた後、横浜で夜ご飯も。ここでも辛いものが食べたくなり、中華。麻婆豆腐。辛いというよりは痺れる。それがたまらなく良い。で、取り皿に、漢字で『粮』という字が書いてある。何とも読むのだろう。スマホで調べると『かて』と読み、『糧』と同じ意味合いで使用されるらしい。食糧。食物。精神・生活の活力の源泉。豊かにし、また力づけるもの。食は、確かに豊かにする。夜になると風が強くなり、さしている傘が吹き飛ばされそうになる。寒さはなくなったものの、春の嵐。辛い物を食べ過ぎたせいか腹の具合が悪くなる。

 

映画監督青山真治さんの訃報を知る。いくつかの映画作品と、小説に触れただけで、あと、劇場で一度、仕事の現場で一度、姿を拝見したことはあった。なんにしても57歳は若すぎる。自分が触れて刺激を受けて来たものを作られた方がお亡くなりになるのは、本当に残念だし、自分もまた、いつかは、という考えが、どんどんと現実になっていく。久しぶりにJim O'RourkeのEureka を聴く。

www.youtube.com