東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『肌寒い日』

アキ・カウリスマキ監督作品のサントラ集『Jukebox−Music in The Films of Aki Kaurisumaki』に入っている『les temps des cerises』がとてもいいので繰り返し聴いている。『街のあかり』の中でもすごく素敵な場面で使われている。そういえば加藤登紀子さんがこの曲をカバーして歌ったものが映画『紅の豚』で使われているな。それも素敵だけど、このCDに入っているバージョンも僕はすごく好きだ。


■ 劇作家の太田省吾さんの訃報を知る。僕は一度だけ、江古田スタジオであったトークショーを聞きに行ったことがある。芝居をやること、劇団という集団についての考え方にとても刺激を受けた。スタイルを持てと太田さんは仰っていた。スタイルとは『生きる根拠、舞台に立つ根拠』を持った意志による運動。『水の駅』を観る機会がなかったことがとても残念だ。


■ 最近、駅から家に向かう途中にあるコンビニに設置されている公衆電話で頻繁に電話をかけているある女性を目にする。その人はいつも楽しそうに電話をしている。使っている言葉が日本語ではなくて、それがなんだか余計に想像力をかきたてる。あの電話はどこにつながっているのだろう。どこの誰にかけているのだろう。すごく楽しそうだけど、何を話しているのだろう。今日あった面白いことなのだろうか。この電話をかけている時間は、その人にとってとても幸福な時間なのだなぁと思えてくる。


■ なんとなく雨が続く。7月も中旬を過ぎたというのに肌寒い日。