東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『小さなおうち』

連休の初日になるのか、といっても仕事なので実感なし。それに連休前は仕事が立て込みいろいろ前倒しになるのでどちらかというと、毎日コツコツ仕事をして、夕方以降にゆとりのある日々を過ごしたいと思うものの、それもなかなかうまくいかない。


本当に暖かくなってきたなぁと思うけど、考えてみるともう5月目前なので暖かい方が当然なのか。今年の4月がそうなのか、例年4月がそうだったのかよくわからないけど、雨の多い4月だった。晴れると嬉しい。晴れたら布団を干す。ひとまず布団を干す。


山田洋次監督『小さなおうち』。見えない何かが覆うようにして、戦争が少しずつ生活の中に侵食していき、最後には戦争が家を破壊する。自叙伝を語る手つきで過去が描かれるので、大筋は語る女中が見えている世界しか描かれない。多少そこをはみ出す描写もあるけれど、その軸があるから、他の登場人物の描かれ方がとてもいい距離感で想像がひろがる。女主人の帯で男女関係を描くあたりとか。すでに30歳になっている妻夫木聡さんが大学生を演じたり、もっと歳が上の吉岡秀隆さんが20代の会社員を演じるところは、実年齢だけをみるとおかしいかもしれないけれど、その人が纏う佇まいがキャスティングへと繋がったのだと想像できる。わずかに2シーンの登場ながら、飄々とした佇まいの橋爪功さんが戦争へと向かう時代の昏さを語るその言葉がとてつもなく重たい。


区議会議員選挙の結果、僕の住む豊島区の投票率も50%を切り、自民党公認候補者が数多くの支持を受け当選していた。区の選挙結果を載せたサイトを見ると戸惑う。様々なやりたい放題が、何も止める手立てもなくいろいろ突き進んでいくような雰囲気。なんなんだろうなぁ。『小さなおうち』が、かつての戦争へと向かう方の語りであることが僕には重要に思える。


田原総一朗さんが自身のメールマガジンで何がどうなろうと「戦争はしてはならない」とその軸だけは絶対にぶれない記事をアップしていて、そのこととも繋がっていると思う。