東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『また古本屋をやる日曜日』

目が覚めると、少し暑くて汗をかいていた。布団をかぶって寝るのも考えものだけど、夜はまだまだ涼しいので難しい。朝食を食べてから、掃除機をかけて、布団を干す。快晴ときいていたので、セーターなどの冬物を洗濯して、それも干す。衣替えの季節だ。気が付けばもう5月も終わる。

それから、庭の草むしりと、伸びているガムの木の枝を少々伐採。嫁から「あの曲がって伸びてる枝を」など遠隔で指示を受けつつ、その枝を切る。それからゴミ袋に入るくらいに細かく切る。家族総出。それにしても、何もなかった、なんならよくわからない食器の割れた破片とかがあった家の小さな庭に、いろいろ嫁が植えだしたのはいつだったか、いつの間にか成長したガムの木が今では屋根につかんばかりに伸びている。枝も太くなってきている。伸びるもんだなぁと思うが、考えてみると、もう7年か8年くらい経っているのか。

それで、木の伐採などが終わってから、この日も古本屋をやることに。娘が「やろうやろう」と言ってくれるのがうれしい。本を用意し、看板を設置し、椅子に座る。ぼんやりする。それから本を読む。そこまで人通りが多い道ではないので、歩く人たちはまばら。そんな中で古本屋を開いたとて、当然、お客さんがひっきりなしに来るわけではない。なんというか、ぼんやりとする時間だ。効率でいえば、これほど無駄な時間はないだろうけれど、ただ、それが個人的には心地良い。娘は、本を読みつつ、人が通るたびに小さな声で「こんにちは」と言う。家の前の通りは坂道になっていて、自転車で走るには意外ときついくらいの坂にはなっている。その途中に家があるので、通りを見ていると、坂を上から降りてくる人や、上る人をぼんやりと眺めることになるのだけど、それもなんだか面白い。地元の人が散歩している場合もあるし、観光というか、ふらふらと雑司が谷を散策していると思われる人もいる。

結果的に、この日は、娘の小学校の友達が漫画を買ってくれただけで、他は売れなかった。立ち止まって物色してくれた人は数名いたけれど。まぁ、品ぞろえの問題もあるだろうが、しかし、そこまで潤沢でもないし、本も僕の趣味の本ばかりなので偏っている。まぁ、売るのが目的でもないし、気長にいる。暇になるとたまに、娘とバドミントンをしたり、竹馬をして遊ぶ。店員としてはあるまじき行為だが、ゆるゆるとやる。 

個人的には、そうやってボーとするのはとても楽しく、なんというか良い時間だなぁと思う。夜6時に店じまい。それから夜ご飯を買いに行き、御飯を食べる。何もない日曜は夕食も早い。夜、嫁と娘が寝てから、一本、映画を観る。

 「愛がなんだ」

 観終わったら、いつもよりも早い時間に眠たくなった。