東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『3日前』

■ 雨が降っていたけど、ジメジメとはしておらず、というかむしろ肌寒いくらいで、久しぶりに袖の長い服を着た。


■ いつもよりも早く仕事をあげてもらえたので、急いで笹塚の稽古場へ。僕が行くよりも早い時間に照明をやってくれるSさんが稽古場に打ち合せに来てくれることになっていて、その打ち合せにギリギリで滑り込む。


■ それから稽古。台本の後半部分を重点的に。登場人物2人の同時進行で行われるモノローグシーンを、どういう風に読んでいくかという稽古。語り方もいろいろある。それから物語のラスト、夫役の門田君が、妻役の円谷さんに、対話とは違う感じで言葉を発する場面が2回あり、それをどういう風に読むかでまたしばし考える。僕自身、台本を書いていた時にどういう風に読めばいいのかまでは考えていなかったので、一緒に考える。もちろん、方向性はある程度決まっているとは思うのだけど、発し方一つでいくらでも雰囲気が変わる。


何回か、練習をした後に、門田君が発した声の出し方、身体のふるまいが僕としてはすごくよくて、「今の、それ、すごくよかった」と言って、自分なりにどうしてよかったのかを言ってみたのだけど、門田君としてはそこまで僕が考えていたように思っていた訳ではなかったとのことで、少し意外そうな顔をしていた。そのシーンは、妻の心情を夫が言葉にして発するという場面なのだけど、門田君の読みは、なにか、妻の心情を考慮した夫が、妻に対してやさしくなげかけるように言葉を発していて、僕が台本を書いていたときには考えもしなかった雰囲気が出現した気がしたのだ。

言葉の発し方もいろいろあるなと思う。本当に言い方一つで感じが変わるなぁと稽古を見ていて思った。いろいろな読み方をしているうちに、「あ、この感じいいなぁ」というものに出会えた時は、なんとも言えないうれしさがある。