東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

東京の果て『落ちたりういたり』

■ 15日(木)。三軒茶屋の稽古場で稽古。その時、役者さんからも話が出たのだけど、15日はちょうど公演の1ヶ月前になる。もう1ヶ月前。年末年始で稽古を結構やらないことを考えると、ちょっとビクビクしてきた。


■ で、稽古。それまでえらく過剰な台詞まわしと演技でやってもらっていた場所を、また異なるベクトルの過剰さでやってみる。その過剰な感じをだすには、そこで登場する2人の役者の息がぴったり合う必要があり、これがちょっと難しいけど、うまくいくと面白い感じになる気がする。とにかく要練習。


■ それから別の場所の稽古。長台詞をしゃべり続ける役者の部分。まだ台詞を覚えていないからということもあるのだけど、どうも台詞が本人の言葉として出てきてない印象を受ける。慣れの問題もあると思う。次に読んだときは、最初よりよかったから。台詞が多少変わっちゃってもいいから、とにかくまずは台本に書かれている台詞を自分の言葉にして発してもらうことが大事だと思う。台詞を読むのではなく、空気を作る意識。その役者が持つ空気さえ固まってくれば、発せられた言葉はおのずとリアルになってくると思う。


■ そうやって稽古をしていたら、不意に、落ちてしまった。別に稽古の内容がどうのではなく、自分でもよくわからないまま、気分が急にぐぁーと落ちてしまった。まだ稽古のときはそれほど意識しなかったのだけど、一緒に電車で帰った役者さんから「なんか元気ないよ」と言われてから急に意識し始めてしまって、そうしたらもうどんどん気持ちが落ちていってしまった。


■ そんな気分のまま電車に乗っていたら、かげわたりの家常さんから電話がきた。それは台本のある部分に関する指摘だった。確かにその部分に対して僕が無自覚だったところがあり、そこに関する家常さんの意見はとても理解できたのだけど、じゃあ「はい、その通りです」とすんなり言ってしまっていいとは到底思えず、では、なぜ自分はその部分をそういう風に書いたのか、そしてどういうつもりで演出するつもりなのか、きちんと考えてしゃべろうと思っても、どうしても気持ちが追いついていかなくて、電話越しでなんだか黙ってしまった。


■ それから、急に気持ちが落ちてしまったことについて家常さんにとりとめもなく話してみたら、自分でも少し整理が付いて落ち着いた。家常さんからも励ましの言葉をもらってしまい、申し訳なかったのだけどとても助かった。指摘してくれた部分に関してはきちんと考えてから返事をしますといって電話を切った。


■ その後は落ち着いて、というかむしろちょっとふっきれたので、なんだかうぁーとなってきて、いつもは自転車で15分ほどかかっている帰り道を、全力疾走でぶっとばし7,8分で走破した。そんな気分になった。めちゃくちゃ自転車をこいだ。呼吸がやばいくらいにあがり、足がブルブルしたけど、なんだかすっきりした。ただ、まぁその全力疾走のせいなのか今日は朝から背中が痛い。とにかく、今は気も晴れているのだけど、短時間とはいえ、あんなに落ちたのは久しぶりだった。急にくるもんだ。とにかく元気が出た。つっぱしっるしかない。