東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『蟹を殻ごと食べる人』

晴れた日曜。午前中に買い物に出かけ、なんとなく立ち寄った鬼子母神さんで、月一『てづくり市』が行われていた。散策。嫁氏が小さなまねき猫を購入。娘子は鳩を追いかけ回していた。帰宅してから玄関前に飾る。


テレビに関して、もっぱら娘子の要求は「ピングー」だったが、このところ「まなか」をやけに連呼する。ところが僕と嫁氏はその「まなか」が何かよく判らない。当然、「まなか」と要求しているときに「ピングー」を再生すると猛烈な抗議が入る。なんなんだ、「まなか」


嫁氏が昼過ぎから出かけたので、娘子と留守番。公園にでかけたりシチューを作って食べたり、風呂に入ったりする。2人の時は、全面的な父親受け入れ態勢なのだが、嫁氏が帰ってくるとやや父親へのあたりは冷たくなる。


土曜。雨。一気に冷え込む。夕方から渋谷へ。久しぶりにM君と会う。17時から居酒屋に入ったが、結構な人の入りで驚いた。明るい時間から酒を飲む人の多い。


先日、読ませてもらった戯曲のことや震災のこと。いろいろ話す。「めんどうくさい」とか「わからない」と言葉にすることを拒むこと。立ち止まっても考えることが互いに好きなようで、そういうことを語り合う。


で、主要な部分ではまったくないところでひとつ。M君はつまみに出てきた魚を骨ごとたいらげていて、「これ、骨、いける魚ですよ」と言っていたが、冷静に考えて「いける魚」ではなかった。話を聞くとM君は食べ物はなんでもたいらげるらしく、蟹を殻ごと食べてしまうのらしい。ほんとうなのか。M君は良い具合に酩酊していたから、ちょっと誇張している気もするが、蟹の殻を食うとするとそれはもう、ちょっとすごいことになっている。海老くらいなら尾っぽごといく私だけど、さすがに蟹は殻を剥く。

で、居酒屋を出て帰ろうとなり、とはいえラーメンを食べていきますかとなり、つけ麺の店に入った。M君はフラフラしながら辛ミソつけ麺なるものを注文していた。かなり酔っていたので食べれないかなと心配したが、つけ麺が出てくるとツルツルと平らげ、気がつくと汁もすべて飲み干していた。僕は普通のつけ麺を注文したが、汁は残した。ただでさえやや濃いつけ麺の汁の、辛ミソの汁をこともなげに平らげる姿を見て、これは蟹の殻もあながち冗談ではないかも知れぬと、出会って10年経つM君の新しい一面を垣間みた気のする一日でした。