東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『SUMMER VIEWING』

tokyomoon2016-09-20

また台風が近づいていたり、秋雨前線の影響ということで雨ばかりの日々。しかもまだ蒸し暑く、ジメジメとする。蝉も鳴いており、まだまだ残暑が粘り強く土俵際にいる。先日、満月が見頃を迎えたタイミングも残念ながら雨だった。このままではふやけてしまう。


先日、出張の際に仕事先の方に教えてもらった吉田秋生さんの『河よりも長くゆるやかに』。札幌の喫茶店『ミルク』の本棚に、そのコミック版が置いてあり、すぐにタイトルに惹かれた。読んだことがなかった。とても面白いですよ、と言われ文庫版を購入。米軍基地のある西東京周辺の、姉と2人で暮らす高校生の物語。男子校の物語で時に男子校特有の猥雑さも描かれるのだけど、画のタッチもあってかそれが嫌な感じもない。現実は決して良いことばかりではないけれど、こんな男子校とこんな生活があるなら通ってみるのも良いなぁとか思わせてしまう享楽がある。なんというか、不思議な軽さと乾いた手触り。面白い。


又吉直樹さん『火花』。芸人を生業としている方がまっすぐに芸人について書いた小説。ともすれば職業的になってしまう方もいそうな中で、自分の笑いだけを貫く人を、その人の側にいる芸人が憧れつつ見続ける物語。小説の端々に書かれる芸人の生き方や考え方。笑いの過酷さ。そして、あらゆる芸人、笑いに関わる全ての人たちへの賛辞がある。それはご自身の思う芸人についをありのままさらけだしたようにも読める。


先日、札幌に出張で出かけた時。札幌から羽田に戻ってきた日はやけに天気が良く、夏の暑さが戻ってきたような快晴だった。飛行機から降りると、とてつもなく大きい入道雲東京湾の上にあった。その雲が見たくてモノレールで都内へ。その間に携帯の動画でなんとなく街の風景と入道雲を撮ってみた。夏の風景。天王洲アイルから浜松町あたりの風景は倉庫があったり、お台場方面が見えたり、面白い形のビル群があったり、なんだか面白い。普通に車窓の風景だけでも個人的には楽しいのだけど、試しにこれまでも頻繁に使われている編集方法をやってみたら、それはそれで面白い映像になった。夏の風景、それとある種の蜃気楼的なものとして記録。

『SUMMER VIEWING』。

普通の風景デジカメのセンサーの性能とモノレールの振動で、画面が変な揺れ方をしているのは仕方なし。