東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『聖なるもの』

tokyomoon2018-05-12

一昨日。強い雨が降り、雷まで鳴ってどうなるのかと思ったらその後、あっという間に雨が上がり雲もなくなった。不思議な天気だった。が、少し肌寒く、夜、部屋でうつらうつらしてしまうと寒さで目覚める。身体がおかしくなりそうな天気。

昨日。新しいワンデイ使用のコンタクトを買いに仕事後に眼科へ行く。終わって時間があったので、職場の同僚に薦められた映画を観に久しぶりにポレポレ東中野へ。


岩切一空監督『聖なるもの』


音楽がテーマという前提の企画の作品であることをふまえつつ。


監督志望の映研の学生役(これを実際に岩切監督自身がやられている)がカメラをまわす擬似ドキュメンタリー形式で映画は進み、途中から、撮影された映画のシーンが挿入される。基本軸となるドキュメンタリー風のPOVは生っぽく、繋ぎ方も刻むような映像だけど、映画シーンはそれとは異なるルックでカット割りもだいぶ変わる。カメラが違う映像が切り替わるように、劇映画とドキュメンタリーカメラの画が変わるのも面白い。そして、場面ごとにその劇映画パートの撮られ方も変化する。それらのいくつものカメラで撮られたルックの異なる映像が、心地いいテンポでつながれていく。


ドキュメンタリー的な手法がどこまで計算されているのかわからないものの、映画の中盤、監督を罵倒して現場を去る女優(兼AD)の横を、スピードを落とさずに通り過ぎていく車の絶妙なタイミングと強烈な音(おそらくMAで意図的にボリュームをあげたと想像する)が心地いい。狙った画なのか偶然なのかはともかく、あの劇的な瞬間がきちんと存在する映画であること。そして小川紗良さんは素敵な俳優だなぁと改めて。


片方ずつのイヤホンで音楽を聞いていた女子。一人の女子が、相手のイヤホンを取って自分の耳に当て、その瞬間に音楽が流れだす場面の心地よさ。ああいうミュージックビデオ的な感じというのは、不思議だけど、それでなんだかかっこいいなぁと思ってしまう。


クライマックスの海のシーン。空半分。砂浜半分。水平にみえる地面の上を監督と主人公が立っているのに、波がしっかり見える。あのカメラ位置と距離感。手持ちカメラの揺れがなくなって、一枚の絵画のようにみえた。あの画がとても良かった。


そんなこんなで久しぶりにインプット。