以前にスケートで転んだ時の左手がまだ引き続き痛い。最初の頃の強烈な痛みは引いたものの、手に力を入れて何かを持ったりするとなんだかまだ微妙な痛みが残っている。
痛みがあるので使わないようにしている左手の上腕の筋力が明らかに落ちてるとわかる。人の身体は正直だなぁと思う。というわけで左手以外の部分は鈍らないように筋トレやストレッチは続けている。
2月1日。映画の日。せっかくだからと映画を観たいなぁといろいろネットを調べていると、ひとつ気になる映画を見つけたので、仕事をなんとか終わらせて普段よりはだいぶ早い時間に渋谷のユーロスペースへ。予告編の野球少年の台詞の言い方がとても良かった。
杉田協士監督の映画『ひかりの歌』
。
踏み込んでしまうと壊れてしまうかもしれない関係がある。それでも踏み込む人もいれば、ただじっと動かない人もいる。戸惑って涙を流す人もいる。4話のオムニバス形式。とくに1話2話の恋の話は、結末がどうであろうとも言葉にしなければならない気持ちが、それを発した方の気持ちも。受けた方の気持ちもなんだかとても切ない。俳優たちの些細なせりふのやりとりがあまりにも自然で、カメラがたまたま居合わせてそこに流れる姿を切り取ったんじゃないかとさえ思える時がある。アフタートークで監督が話していたが、1話で野球少年が「キャッチボール楽しかったです」という台詞をアドリブで言ったらしいのだけど、確かにあの台詞は本当に素敵だった。
映画の中で描かれる些細な出来事が、本当に些細なのだけど、それが忘れられない印象を残す。リズムよく繰り返されるキャッチボール。古本屋の振り子時計の音。円を描くようにランニングを続ける少女の息遣い。雪をかく車のワイパーの音。学校の中に響く学生の声。自転車、車、電車(北海道なので正確には汽車か)、そして美味しそウトはまた違うのだけど、無性にお腹が空いてくる食べるシーンの描写。それは本当に小さくて些細な音なんだけど、なんとなく耳鳴りみたいに耳の中に残る。ポスターかどこかに『listen to light』という英語タイトルが記載されていた。光を聞く。映画を象徴するとても印象的な言葉。
2話に出てくるラストの自販機の場面。公式ホームページに載っている写真はスチール用に撮られたもので、映画本編とは異なるアングル。映画で使用されているこの場面のショットは息を呑む美しさだった。そして、暗がりに消えていく少女のショットもよかった。
土曜はゆっくりの1日。午前中、猫のブチを家族で病院へ連れて行く。都電で西ヶ原あたりへ。混んでいたのでだいぶ待つということで待っている間、娘に散歩しようと誘うと「いかない」と断られたので、一人で病院の近くを散策。なぜかゲーテの記念館が近くにある。由来はなんだのだろう。それからさらに歩くと、飛鳥山公園にたどり着く。公園の中を散策。鳩がやたらといたり、晴れていることもあり親子で遊んでいる姿がたくさん。象の滑り台が良い。そういえば、かつて娘と遊びに来た。ふらふらと歩いて病院へ戻る。年配の男性がとても年を取った老犬を連れてきていた。ぐったりしている。「また夕方にきます」といって帰っていき、うちの順番になった。猫を看てもらい注射をしてもらう。と、そこに先ほどの男性が駆け込んできた。「息をしてなくて」と慌てている。急いで診察台の上に乗せて、心臓マッサージや体内に空気をいれてみる。男性は落ち着かずそわそわしている。僕たちはそれを見ているだけしかできないし、ぬいぐるみみたいに力が抜けたようになってしまっているその老犬についてもどうすることもできず、看護士さんがお会計を済ませてくれたので、結末を見ずに病院を出た。
病院を出ると、いつもズボンの後ろポケットのいれている定期券入れが入ってないことに気づいた。どこかで落としたのかもしれない。それで、また飛鳥山公園のあたりをうろうろとする。見当たらず、交番へ行ってみると、親切な誰かが落し物として届けてくれていた。保険証の確認など多少面倒な手続きを済ませて、無事に戻ってきた。おそらくしゃがんだ拍子にズボンから落ちてしまった。
それから家族で遅めの昼食を食べて、都電で帰宅。帰るころには陽が傾いてきていて、木や建物の間から日暮れ色した空が見えた。夜、少しだけ仕事。メール作業などいくつか。落ち着いた週末。