東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『10月の月末』

30日(水)。仕事で有楽町や東京近辺へ。それで仕事が一区切りついて、なんとなく気温も過ごしやすくて心地よかったので、仕事の電話をしながら歩く。御茶ノ水付近で、JRと丸ノ内線が交差するところで、ぼんやりと電車の出入りを眺める。丸ノ内線の新型車両が真っ赤。

で、そのまま後楽園まで歩き、さらに護国寺付近まで歩く。そこまで来て、メール作業などしたいと思い、久しぶりに『ワールドネイバーズカフェ』へ行く。居心地がいい。一人でくつろいでいる人、仕事っぽくパソコンを開いてる人、複数人でお酒を飲んで話をしている人、いろいろいる。23時ごろまで仕事をして、また歩く。ひんやり。結果、家までおよそ6キロほど。2時間くらいか。歩くのは好きだから苦ではない。といいつつ、決まった道ばかり歩いているので、もっと路地をうろうろしたいが。

帰宅してから、録画したKERAMAP『キネマと恋人』を観る。映画『カイロの紫のバラ』を題材に描かれたラブコメディーの舞台。映像を使う舞台の面白さ。こういう映像と舞台演出の展開は、観る側には素直に愉しい。あと、ほんと、小野寺修二さんの振付の面白さ。実際の劇場で観たいけど、ひとまず観れたことが有難い。

31日(木)。仕事が終わり、歯の治療。とりあえず、一本、治療終了。といいつつ、まだ数本残っているので、これからも通い続けねばならない。で、歯医者が微妙な場所にあるので、僕は面倒くさくなり、そのまま渋谷まで歩いていく。迂闊だったのはその日がハロウィンだったこと。てっきり先日の土日でハロウィンは終了したかと思ったが、甘かった。渋谷はそれらしき人がわんさかいる。こういう時、海外の方のあけっぴろげな楽しい表情をみると、素直に楽しめばいいのだろうなぁと思うのだけど、どうも、こう、なんだか乗れない。ここぞとばかりにこの日にコスプレして、渋谷に集合する意味を感じない。まぁ、でもそういう風に考えるのがおっさんなのかもしれない。まぁ、40歳なので、間違いなくおっさんだけど。ひとまずできるだけ、渋谷の脇の方をそそくさと歩き、地下鉄へ。

家に帰ってから映画。大林宣彦監督『この空の花』。ようやく観れた。で、まさかこれほど混沌とした映画だとは思わなかった。物語が進行していきつつ、突如、ドキュメンタリーとしてのインタビューも入る。登場人物たちは時間の境をあっさりと縦断するし、映画の中のリアリティの線引きも簡単に横断する。手作り感のあるCGの使い方は、狙ったものだろうし、いずれの場面も異様に手の込んだカット割りや合成カットを入れたり、雨を降らせたり、一輪車を走らせたり。しかも2時間40分の長尺。ずっとそのある種のでたらめさが続く。どういった予算組がなされて、この映画が生まれたのかわからないけれど、ある種の許容さがあるからこそこの映画ができたのだと思うし、それを許される、許さねばならない立場にいる監督なのかもしれない。勝手な想像だけど、映画に対する信頼があるからこそ、映画を破壊できるのかなぁと勝手なことを思う。