東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『出張の終わりの日』

朝、この日も快晴。電車で移動し、再び仕事先でいろいろ。陽射しが眩しく、暑い一日。なんやかんや日中はあっという間に過ぎていく。

昼過ぎ、空を見上げるととてつもなく大きな入道雲が出ている。青い空に入道雲。夏だなと思う空。仕事先を出て、新幹線が出る駅へ。帰京の準備。観光地でもあるその街。切符売り場にも多くの海外からの観光客の方がいる。自動販売機にパスポートを確認するスキャン画面みたいなのがある。東京の自販機にもそういうのはあるのだろうか。

なんだか、するっと帰るのも勿体ない気がして、なんとなく駅ビルをうろうろする。駅ビルの本屋に入り、物色すると、ふと、夏目漱石の「こころ」の、新装丁文庫本が置いてある。白で統一されたカバーはなんだか素敵で、思わず購入してしまった。

ビルの屋上にエスカレーターで行けたので、フラフラと昇る。暑いけれど、風が通っているし、日暮れの町を眺めるのは楽しい。夕暮れていく。なんやかんやあっという間だった。あれはなんていうのか、路地ピアノだっけ、屋上にピアノが置いてあり、自由に弾けるようになっている。結構、代わる代わるピアノを弾ける人たちが演奏する。演奏が終わると、ささやかながら拍手が起きる。

夏の夕暮れ。風が心地い見知らぬ街。ピアノの音。拍手。とても良い心地。

新幹線に乗る。購入した「こころ」を少し読む。「先生」と呼ばれる男性と、「わたし」と呼ばれる学生の交流が描かれる第一部。今後の展開の布石がちりばめられながら、2人の交流が描かれる。

新幹線の車内は、ビールを飲んでる人もいて、賑やか。シートを180度展開して、向かい合うようにしている人たちもいた。もう、それも解禁になっているのだな。マスクを着けている人ももちろんいるけれど、何をするのも節度さえ保てば、各自の自由。良いことではないか。

品川に到着したのは21時半過ぎ。荷物片手に山手線に乗り換える。東京は東京で同じように暑い。人も多い。ただ、なんだかふわふわとしながら帰路へ。家に着いたら娘が起きていた。明日は中学校で入っている演劇部の発表会があるという。それはせっかくだしと観にいく約束をする。落ち着くとて、どっと、疲れが出る。出張終了。