東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

真夏の神宮球場と肌寒い今日

今日の関東は雨。
今のところ気温は20℃前後。湿気もなくむしろ涼しい。この気温が続けば、関東地方の連続真夏日記録は昨日(14日)までの40日で終わる。

昨日の夜、とあるきっかけからチケットをタダでもらえたので神宮球場プロ野球中日対ヤクルト戦を見に行った。チケットは3枚もらえたので、野球が好きな親を誘ったら、母親がノリノリで見に来たけども、父親はめんどうだからと来なかった。

神宮球場は熱気と湿気で暑かった。僕たちがついたときには4回の裏が終わっていて、ヤクルトが5−0で勝っていた。首位中日の試合で見に来たのだけれども、なんだかさえない試合だなと思いながら見ていた。でも、野球場は、というかスポーツ観戦する会場の雰囲気っていうのは面白い。TVで見るのとはまた違う。バットにボールが当たるたびに怒号のような歓声が響く。外野席に陣取っている応援団が声援を送ったり野次をとばしたりするし、自分のお気に入りの選手が出てきたり、いいプレーがでると誰かまわず拍手が起こる。演劇や映画を見る雰囲気とはまた違う。もっと入り込んでくる。

試合は後半怒涛の展開をみせた。7回終了までヤクルトが7−1で勝っていて、もうそのまま行くかと思いきや、8回、9回の攻撃で中日がまさかの逆転。とくに9回の中日の攻撃は非常に見せるものがあった。たびたび他球場の途中経過が流れて2位の巨人が負けていることが流れる。首位中日も3位ヤクルトも負けられない試合になる。9回ヤクルトのマウンドには抑えのエース五十嵐亮太だ。ところが五十嵐がブレーキ。あれよあれよという間に1アウト満塁。点差は3点差。バッターは谷繁。いやぁ息が詰まる。五十嵐は150キロを超える球を投げるが、谷繁はその球をレフト方向へ。誰もが一瞬息を呑む。ボールが地面に落ちる。ランナーが返る。同点、そして逆転。とてもいい試合だった。スポーツ観戦も本当にいいもんだ。

金曜日に、以前僕の芝居を見てくれたことがあるMさんと三軒茶屋の居酒屋で飲んだ。きちんとお話するのは初めてで最初はすこし緊張したけど、なんだか話が合っていろいろしゃべった。Mさんは桜美林大学のOBだ。桜美林大学は芸術分野に力を入れている大学で、Mさんはそこで演劇をやりはじめた。そういうこともあっていろいろな演劇論や好きな作家さんの話などで盛り上がった。岩松了さんというとてもすごい作家さんがいるのだけれど、その方が大好きなことでも意見があった。あと昭和初期の戦争の話になったときにすこし驚いたことがあったのだけれども、2・26事件の話になったときMさんが「僕の祖母がその日、なんだか外の雰囲気がおかしかったって言ってました」というのだ。2・26事件のとき、東京地方はめずらしく雪が降っていた。寒いので家にいると、外から雪を踏みしめるたくさんの足音がしたらしい。おかしく思ったおじいさんが外へ行くと、若い兵隊が列を作って歩いていたそうだ。危険だから外へ出ないようにしたらしい。なんだかリアルですごい話だ。そういう話を聞くと、本で事実だけを知るのとは異なる感覚を受ける。とにかくその日はいろいろ話せてとてもよかった。Mさんにも、書きかけの台本を渡した。もちろん一緒に芝居を作りたいと思ったからだけれども、果たしてどのように思ってくれるか。

今日は59年目の終戦記念日。こういう日に雨が降るとなんとなく思うこともある。肌寒いと思える空気がながれる。とても暑い夏の、たった一日だけの中休み。そんな日。