東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

炎の絵文字

昨日、ちょっと来年以降に向けて面白くなりそうな話を友人から聞かされて、楽しくなってきた。まだ何にも決まっていない状態なのだけれども、実現できたらとても楽しそう。そういった感じで、寒い中でも少し浮かれて過ごした。仕事帰り、地元のレンタル屋でクラムボンのボーカル原田郁子さんのソロアルバム「ピアノ」を借りる。とっても素敵。クラムボンの時はメンバーと原田郁子さん本人が作詞・作曲を手掛けているけれども、ソロはPolarisオオヤユウスケさんとハナレグミこと永積タカシさん等が作曲している曲を歌っている。とてもいい感じだ。このアルバムをBGMに晴れた日にドライブにでも行きたい。そんなアルバムだ。

いろんな人が新潟県中越地震のことを考えている。それはすごく大事なことだと思う。だけど未知の方のブログを見ていたら「報道は被害の状況ばかりしか写さない。元気なところ、無事なところをもっと写すべきだ」と書かれてあり、その通りだと思った。もちろん今、この瞬間もライフラインが復旧せずに寒さと余震の恐怖を抱えて生活している人はいると思うけれども、そればかり報道しても何も産み出せない気はする。徐々に元の生活に戻っている人達もいるはず。心配事ばかりメディアで流しても、何もならない。例えば、新幹線の脱線事故。ここぞとばかりに報道しているけれども、だからなんなんだ。恐怖を煽ってどうするのだろう。無論、当事者達はさらなる安全対策をするのは当然としても、ここぞとばかりに流れる報道は揚げ足をとっているに過ぎない。命の危険の伴う、事故なのだからある程度は理解ができるけれども、メディアは自分達が報道することで、その報道された機関、団体、個人がどのような影響を受けるかを考えなくてはならない。メディアの力は想像以上に強大だ。報道が自覚をして、恐怖や不安ばかり煽った報道をしているのなら、それは考え物だ。しかしもっと怖いのはまったくの無自覚で、ただそういう報道をしている場合だ。だからこそ受け手である僕も『見る目』を鍛えていかねばならない。この報道に煽られて、JRに文句を言うのなら、せいぜい今後新幹線には乗らないことだ。乗らないという選択肢は誰にだってあるのだから。僕は乗る。その分、万が一の時は、仕方がないと思うしかない。『便利』なんてそんなもんだろう。

前向きにこの地震のことを考えて義捐金援助やボランティアの活動をされている方は立派だ。本当にすごいと思う。

話は大きく変わるけれども、長渕剛はメールで絵文字を使うらしい。ヤフーのニュースに載っていた。涙の絵文字や炎の絵文字でメールをやりとりしているそうだ。櫻島ライブから「生きて帰ってきた」というあんたは兵士か、と思わんばかりの勇ましいコメントを残した彼が絵文字を使う姿はなんだか趣がある。僕はメールをする時、絵文字とかは一切使わないので分からないけれども、それにしても炎の絵文字ってどんなのなんだろう。怖いな、長渕剛から炎の絵文字が着たら。例えば長渕剛のマネージャーだったら、と想像してみる。

その日は本当に朝からいい天気だった。いつもより早く目が覚めたとはいえ、なんだかすっきりしている。マネージャーという職業柄、はっきりとした休みはあまり取れないから、眠れるときは、たくさん寝ときたいけれども、今日はやけにすがすがしい。コーヒーでも淹れよう。窓の外には平凡の町並みだ。だけどそれも新鮮に写る。あついコーヒーをゆっくりと飲む。豆のいい匂いと少しにがみのあるコーヒーが体にしみわたってくる。今日も一日がんばれる気がする。そんな瞬間。ふと携帯が鳴る。着信音が「巡恋歌」だから長渕さんからのメールだ。メールを開く。

「おはよう。今日もいい天気だな。今日もがつんと歌うからよろしくな」

その語尾には炎の絵文字があった。なんだか一気にすがすがしさは無くなる気がする。でもきっと語尾に入ってるんだろうな。炎の絵文字が。長渕はいれるんだ。例えばこんなのメールにも。

「悪い、ちょっと遅れるわ」

その語尾は炎だ。どんな理由で遅れるのかは問題ではなくなる。長渕は遅れる。その事実だけが突きつけられる。それからこんなのにも。

「明日って、午後入りだっけ」

もちろん語尾は?マークではない。疑問系など長渕には合わない。何度もマネージャーが確認したっていつだって炎で返信だ。さらにこんなのにも。

「そういえば、今日はお前の誕生日だったな。おめでとうよ」

無論、語尾は炎だ。それをどう解釈すればいいのか、最初はとまどうかもしれない。だけどそのうち慣れてくる。それはもうただの記号だ。そう理解すればいい。そうやって長渕剛は絵文字をいれる。炎をいれるんだろうな。そんな男だよ、彼は。なにせ、彼の新曲について語るこの記事はただ事じゃない。

12月1日発売の新曲「金色のライオン」は「野性的で、標的を定めたら食い殺すまで猪突(ちょとつ)猛進する。その迷わず進む姿を今の世の中は忘れている」。忘れたものを取り戻すために書き上げた、疾走感あふれる楽曲だ。

こんなことを冗談ではなく言える彼の生き様。そしてこの度、携帯電話のCMに出ることになった彼のコメント。

CMは「アフリカのライオンが標的を定め突っ走るイメージ」

それがどんなCMかものすごく興味深い。そしてやはり長渕剛は炎の絵文字の似合う男だ。