東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

東京を歩く。HOLGAを持って

■ 夜勤明け。日暮里にいた。手にはHOLGAを持っていた。

■ HOLGAとは通称トイカメラといわれる、非常に簡単な作りのカメラだ。インスタントカメラよりもなんだかちゃちな作りだ。そもそもカメラは手作りで作れるほどの構造らしいのだけれども、これはその中でもずいぶんシンプル。説明書を見ると世界でもっとも駄目なカメラといわれているらしい。すごい言われようだ。

■ もともとカメラが欲しく、かといってデジタルカメラはあまり欲しくなかったのは、以前テレビでトイカメラの特集があり、いつかその類のものが欲しいと思いつづけていたからで、先週末、偶然入った店で発見して即座に購入してしまった。HOLGA120CFNというフィルムが入った一式セット7800円。トイカメラに惹かれた理由は、駄目なカメラだからこそ撮られた写真が、なんともいえない仕上がりになること。色のバランスがおかしくなったりピントが変な感じでぼけたり。それは通常のカメラではおそらくでない。性能がいいから。だけど偶然生まれるそういったおかしなものにこそ、存在する魅力があるとも思える。すべてをきちんと正確に写せるカメラもいいかもしれないけれど、せっかくなら遊びが欲しい。

■ で、そのHOLGAを持って東京を散策。JR日暮里駅から谷中の方へ。紅葉の木々の間を抜けていくつかの寺や神社をまわる。ふと目にはいったまんじゅうやのお焼きを食べながら、商店街を歩く。猫が日向で寝ている。親子連れが散歩している。気持ちが良かった。結局、一枚もシャッターを切れなかった。だめだな、なにもカメラのことを知らないくせに、いい写真が撮りたいと意気込んで、結局構図を決めては迷い、決めては迷う。どうせまだ全然下手クソなのだからどんどん撮ればいいのに。それからいろいろ考えればいい。また東京を歩こう。HOLGAを持って。

■ その後、地下鉄を乗り継いで渋谷へ。シネマライズ松尾スズキ監督作品『恋の門』を見る。演劇界の鬼才の初監督作品。ものすごく好き勝手やっていた。すごい面白かった。いい意味で映画で遊んでいる。きっと映画の仕事にずっと携わっていこうとおもったら、こういう作品は作れないのではないだろうか。初監督という自分の立場をむしろ存分に使ったアマチュア的なアプローチ。もちろんそれは編集や撮影といった映画的な部分。物語やキャストといった部分はさすが演劇でならしている松尾スズキ。演出もやはりすごい面白い。楽しい2時間だった。

■ それにしても渋谷はやはり怖いな。センター街にいる黒人の人達はやはりなんだか怖い。あとピシッと黒い背広を着た色黒で金髪の若いお兄さんが、何人も路上に立っているのとか。怖すぎる。

■ 夜、飯田橋にて人と会う。いろいろと話す。来年に向けてのこと。少しづつ具体的な話になってくる。

■ 夜の東京は雨が降っていた。今朝も雨だった。ちょうど通勤時間が土砂降りで駅に着くあたりで図ったように止みやがる。雨め。

■ あと会社の人から聞いた話によると関東に、関西から当り屋グループが来ているらしい。自分の車を人の車に当てて、莫大なお金を払わせる手口。そいつらは山口や姫路、なにわや和泉ナンバーの車で関東に乗り込んでいるらしい。なんと84台も。どんだけでかいグループなんだ。怖いよ、関西の当り屋たち。いろいろ世の中物騒だな。こういうときはどんなに怒鳴られても示談にはせず必ず警察に連絡をいれるべきだそうだ。気をつけないといけない。