東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

千鳥日記『仕切りなおし』

■ 夜勤の日の朝だ。うつろな朝なのは睡眠時間が不足しているから。昨日、朝の3時過ぎまでずっと台本を書いていた。4月の芝居用の台本だ。一昨日の稽古で、今回の芝居の中心人物であるOさんが芝居の構成を発表した。この構成で僕の台本は結局1つしか採用されなかった。正確に言うと1つの短編を3パターンやるといった感じ。

■ この件に関してOさんと僕の中で、もちろん他の人も含めて重要な話し合いがなされなかったことはとてもまずいことだったと思う。それは僕にも責任がある。そういう話し合いの場を作らないで、自分の台本がやらせてもらえないのが不満で、稽古場でやる気のない態度を取ってしまっていた。それとは別に個人的な事情があったこともあるが、それらのすべてがどうもうまくない方向に進んでいた。

■ 昨日、そのことでOさんとメールでいろいろやりとりをした。感情的になったところもあった。それでも出来る限り僕は本音をOさんに伝えた。どこまでお互い本音を受け止めあえたか、消化できたかはわからない。それでもその問題に対してまた一つ方向性が定まった気がした。結論として僕はもう一度台本を書くチャンスをもらった。僕に与えられた箇所に、みんなが面白いと思える台本を書いてくる。それが面白くなければ不採用。とにかく今、自分が書けることは書いた。今日の稽古でそれについて読みあわせをして、みんなで芝居の方向性を決める。

■ とりあえず、これまでの稽古で僕のわがままもいろいろあったことは間違いない。Oさん以外にも僕の態度に不満を持っていた人はいたと思う。お互いがほとんど初めて芝居を一緒にやるという間柄で意見交換がなかったのも確かだ。僕も遠慮して何も言えなかったし。今回のことで、そういった微妙な関係を少しでも変えたい。ここから仕切りなおしだ。やるからにはいいものにしたい。

■ 他にもこの数日いろんなことがあった。高校時代からの友人であるHくんが落ち込んでいた僕に忙しい最中メールをくれたことがどれだけうれしかったか。Hくんとはなかなか会えないけれど、この日記を見てくれて時々こうやってメールをくれる。それが取るに足らない些細なことであっても、友人の近況を聞けることはなんだかほっとする。

■ また土曜には、友人でデザイナーのIさんがやっているバンドのライブがあったので六本木のライブハウスに行った。僕はIさんが作る曲が好きだ。とてもかっこいい。Iさんのバンドのライブは2回目だったのだけど、前回、聞いたときよりもとてもいい感じになっていた。今回のライブは3つのバンドが出演していたが、演奏の完成度やライブパフォーマンスといったところでは3番目に出てきた未知の方々のバンドの方が正直うまかった。だけどIさんのバンドには『うまさ』とは別のものがある。曲のセンス、歌い方、演奏の仕方。佇まい。それは『うまさ』とは異なる魅力だ。僕にはそっちの方が『うまさ』よりずっとかっこよく見える。

■ Iさんのバンドのライブを一緒に、芝居があると稽古場などの確保でお世話になるFさんとリーディングにも出てくれて1月の芝居にも一緒に参加したMくんと見れたのもうれしかった。もともとMくんと出会ったのもIさんと出会ったのもFさんが紹介してくれたからで、そのおかげでいろいろなことが生まれた。リーディングや展覧会もさることながら、他にもいろいろと面白いことにお互いが関わっている。

■ IさんもMくんも僕には無い魅力を持っていて、僕は彼らといるととても刺激を受ける。そしてFさんはいつも僕のわがままなお願いを出来る限りサポートしてくれて、いろんなアドバイスをくれる。そんな間柄なのに実は全員でゆっくりと面と向かって会話をしたのは今回が初めてなのだ。いつも誰か一人の都合が悪かったりして揃わなかった。だからこうやって一緒に話せて、酒を飲めてよかった。またゆっくりと話をしたい。

■ 気がつけば3月も後半だ。やっと鬱屈した感じから抜けてきた気がする。CDSのBBSのゆうすけさんのつれづれつづりではないけれど、時間が本当に早く流れている気がする。しんどいことも多いけれど、本当に毎日が楽しく過ぎていく。だからあっという間なのかもしれない。だけどそれが楽しい。そんな雰囲気に甘えてばかりはいれないのかもしれないけれど、今はまだこうやって、そういった中で毎日を送りたい。

■ 今日の夜の稽古はきっといろいろなことがあると思う。だけど今はそれが楽しみだ。