東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『町田の稽古』

■ なんともジメジメした一日。気温自体はそれほど高くないのだろうけど、厚い雲に覆われて湿気が多く、歩いてるだけで汗が滲み出てくる。今日の夜半から雨らしいし嫌な天気だ。


■ 3日(土)。町田へ行く。リーディングなどに出演してもらったMくんが作・演出する芝居のプレ稽古初日。芝居は3月の公演だけど、9月の一月の間に数回稽古をして様子を見てみるとのこと。僕は3日と10日の2回稽古に参加することになっている。


■ 実は本稽古が12月から始まる。僕はてっきり1月から稽古が始まると勘違いしていた。そのことを聞くと「前から何度も言ってましたけど・・」と言われてしまい、以前にもらった稽古予定表にもしっかり12月から稽古と書いてあった。自分のいい加減な部分を痛感する。で、自分の企画する芝居をやる旨を伝えて稽古参加を調節してもらうよう頼むことに。Mくんは「大丈夫ですよ」と言ってくれたけど本当に申し訳ないことをしてしまった。


■ 稽古自体はいくつかの場面を抜きで稽古。ずいぶん役者が多い芝居なので前半はこういう稽古が中心になるのだろう。プレ稽古は抜きの稽古がメインなので、台本上で絡むことがない役者と稽古日がかぶっておらず、本稽古まで会わずじまいの人もいる。なんにせよ、この芝居は出演する役者の人数が多い。20人前後いる。聞くところによると役者の大半はMくんの大学時代からの友人たちらしく、見知った仲ということで役柄のイメージがうまく当てはめているのか初めての稽古なのになんだかとても雰囲気が出ているように思えた。


■ 稽古を見ながら面白くて笑ってしまうこともしばしば。台本を読むだけでは判らなかった雰囲気が、役者の身体を通過することで初めて見えてくる。そんな中、Mくんは稽古をしながら台詞をちょっとずつ変更したり、増やしたりしている。それは台本を書いていた時のイメージと、実際に役者の身体を通して見えてきた形とのズレの調整なのだろうか。「いやー、台詞って変わるなぁ」と言いながら台本を書き換えるMくんはしかし楽しそうに思えた。


■ とにかくそうやって稽古は進む。途中、差し入れを持って現れた人がいたが、その人も大学時代の友人だという。それぞれ大学卒業後、就職したり、フリーターをしているとのこと。そういった面々が芝居を通してこうやって一つの場所にまた集まる。そこは単なる思い出に浸る場所ではなく、純粋に一つの創作活動の場としてある。過去をノスタルジーに見つめることは毛頭なく、ここには「イマ」がある。それが単純にいいなぁと思う。


■ まぁしかし、やはり緊張する。僕はMくんと役者の面々が培ってきた時間や経験を共有していないわけで、まぁなんといいますか、そういう意味では外部からやってきた者なわけで、もちろんそういう状況でも気にせずに場に溶け込める人もいるだろうけど、僕はそういうのがかなり苦手なくちで。まぁ稽古を通じて馴染んでいければいいなぁと思う。


■ 稽古後、すこし飲む。それから帰宅。それにしても町田はやはり遠いな。23時に町田を出ると家に着くのは深夜1時だ。9月はともかく、12月以降、また埼玉と職場と町田を行ったりきたりする日々が始まるわけだ。このまえの町田での稽古もやはり12月や1月だった。寒い時期の町田に縁がある。稽古帰りの寒さを思うとちょっとアレだけど、楽しい稽古になりそうで、楽しみだ。そんなことを考える残暑の今日。