東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

東京の果て『週末いろいろ』

■ とういうわけで、三連休だった。12月23日、24日、25日。この国の象徴にあたる人の誕生を祝う日と、それとはまた別の場所で救世主と呼ばれてる人の誕生を祝う日を横並びで並べることが出来るこの国。そういうところに日本人の本質のようなものがあるのではないかと思ったりもする。アメリカにおいてクリスマスに関するこの問題が取りざたされているのは、それは自分が生きていくうえでの『譲れないもの』と深く関わっていると想像できるからで、ではなぜ、日本ではこれほど(少なくとも表面上では)なんも考えなしにクリスマスが祝われているのかと考えると、やはりこの国に生きる人には『譲れないもの』というものがなんだかぼんやりとしてしまっているからではないのかなと思わずにはいられない。別にクリスマスを全否定するわけではなく、個々人がそれぞれに23・24・25日を楽しく過ごせばいいとは思うけど、ただ単に楽しむだけでは、よくないのではないかと思うわけでして。たとえばそれは、現在映画館で上映されているハリウッドが作った日本が題材の作品にも言えることで、この方のブログはその映画に対して豊富な知識から的確な批評をしながらも、それだけに留まらずむしろ観客としてこの映画を娯楽として楽しんでしまう日本人の立場に警鐘を鳴らしていると思われ、とても考えさせられる文章でした。


■ 以下、そんな週末の出来事をまとめ書き。


■ 23日(金)。荻窪で昼から稽古。役者の土井ちゃんがいろんな人がカバーした『アカシアの雨が止むとき』を図書館から借りてきてくれた。それにしてもいろんな人がカバーしていた。美空ひばり江利チエミ美輪明宏、さらには高木ブーまで。この前、渋谷で探しても見つからなかった戸川純さんがカバーした『アカシア〜』が入っているアルバム『昭和享年』も土井ちゃんは見つけてきてくれた。確かにかっこよかったが、それにしても東京都の図書館侮りがたし。品揃え豊富だ。


■ いくつか抜きで稽古した後、芝居の後半にある一場面について役者全員と話し合う。そこは音楽と映像を使ったシーンで、僕としてはそこにさらに役者の表現も加えて三位一体となった場面を作りたいと考えていた。自分のイメージをおぼろげながら役者に伝えてみたのだけど、どうも反応がいまいち。何か役者が動くとしても、それはバンドの演奏や映像を妨げないようなものにするべきだという意見が出たり、バンドの演奏と映像だけで十分なのではないかという意見がでたりもした。結局、携帯電話を用いた動きを一つとりあえずやってみたものの、どこか決定打がでないまま終わってしまった。


■ その上、話し合いがいつの間にかそのシーンから作品全体に及んでしまい、気がついたらこの作品に関する意見がいっぱいあがってきた。相変わらず『わかりづらい』『なんか足りない』と言われてしまう。そういう意見も踏まえて少しずつ台本も書き直してはいるのだけど、なかなか難しいもんだ。ただ、まぁ自分の考えや役者の人たちの考えをいろいろ聞ける貴重な機会ではあったと思う。こういった話し合いの内容をうまく舞台に還元できればいいのだけど。


■ 稽古後、なんとなく役者の人たちから「このまま帰るのもなんなので」といった具合で新宿の居酒屋で軽く飲みながら話し合うことになり、最初は少し台本のことについて話し合ったりもしたけど、いつの間にか普通の飲み会になっていた。まぁそれはそれで気分転換。終電で帰宅。えらく混んでた。


■ 24・25日は稽古はお休み。当初、この芝居を企画した最初の頃は、実はこの時期に公演をしようと企てていたのだけど、今から思うと1月にしておいてよかったと思う。到底できなかった。まぁこういうのは気力の問題で、いざ24日とかに公演をする予定だったら死ぬ気で芝居を作っていたのかもしれないけど。まぁたらればの話。久しぶりに時間が空いたのでのんびりと過ごす。


■ 25日(日)。『東京の果て』の稽古は休みだったのだけど、3月に公演する芝居の稽古があったのでそちらに参加する。実はこっちの稽古は12月中の土日にいつもやっていたのだけど、僕は自分の公演を理由に休ませてもらっていた。さすがに全ての日を休むのは申し訳なく思い、せめて一日だけでもと参加。いやはやいろんなところに迷惑をかけている。


■ 稽古場は矢部というところにある。これがまたえらく遠い。新宿から小田急線に乗り町田へ。それからJR横浜線に乗り換えて3駅目。移動時間1時間30分超。まぁ元から分かっていたことなのでアレだけど、それにしてもやはり遠い。久しぶりにあった演出のM君や役者の方々は相変わらず元気だった。そういえば9月にプレ稽古があったけど、もうあれから3ヶ月も経つのか。あの時はすごく暑かったのに、今はもう真冬なわけで。時が経つのは早い。


■ こっちの稽古はすっかり見学している気分で過ごしてしまった。M君は次から次へといろいろなアイデアを出してはそれを役者に提案していく。僕には思いもつかないことばかりで、そういうのを見ていると面白い。特に今、自分でも演出をやっているわけなので、いろいろ刺激にもなる。自分が参加していない間に稽古が進んでいた部分をいくつか見れたのでその辺も興味深く見学させてもらった。いずれにせよ役者として本腰いれて参加できるのは来年1月15日以降。M君や他の参加者の方に迷惑をかけてしまうけど、その分こっちの芝居をきちんと作らなくては。


■ 稽古後、ちょっと飲みにいく。去年の1月に一緒に芝居をやって、この3月の芝居でも一緒にやることになったH君やM君といろいろ話す。楽しかった。帰り際、みんなと交わした最後の挨拶が「よいお年を」だった。考えてみれば25日を過ぎればもうそういう時期なのだ。11時過ぎに町田から新宿へ。3連休の最終日なので、それほど人がいないかと思ったらそこそこ混んでる。やはり東京は人が多い。終電で帰宅。


■ そんな週末。