東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『顔合わせ』

■ 12日(土)。お芝居の顔合わせの日。役者からバンドメンバーまで一同に介する初めての日。とはいっても役者の方で3人、スタッフのほうで1人欠席になってしまっていたので全員というわけではないのだけどそれは仕方がない。なにせ関わる人が多いわけで。役者は8人。バンドメンバーは5人。うち、1人はバンドと芝居を掛け持っていただくのだけれども。さらにそれに加えてスタッフさんもいるわけで。いやはや大人数。


■ 金曜の夜に突如沸いて出たメーリングリスト問題は結局、連絡をくれた役者一人だけメーリングリストが届いてなく、他のメンバーは全員届いていたという状況だった。それはそれでどうしてそういう事態になったのか推測するに、どうやらその役者が設定の際に迷惑メールとして拒否していたのではないかとかそういう理由が挙げられたのだけど、まぁ原因不明。なんにせよ、大事にならずに済んでよかった。


■ して、池袋の居酒屋で顔合わせ。顔合わせの場は緊張する。とくになんといいますか、一応、というか間違いなくこの芝居の責任者は自分なわけで、まぁその、そういったことをモロに意識してあがってしまったわけでして。ただ、まぁそこは酒の席。始まってしまえばあとは愉快に進むといった具合で、僕も酒を飲んだらずいぶん気が楽になってすっかり楽しんでしまっていた。


■ 一つばかり気になることがあったとしたら、それは役者の台本に関する反応で、顔合わせの前に事前に台本を渡しておいたのだけど、その台本を読んだ感想がまぁいまひとつといった感じでして。ある程度は予想してはいたのだけど。というのも、まぁ物語らしいものはそれほどなく、いろんな話が散文的にあって、それが特につながらずに終わるわけで。そういった内容に、もうちょっと何か加わらないのとか、これでなにが言いたいのかわかるかなとか、そういう感想がチラホラあった。


■ 当然、そういった感想が出る一つには僕の力量不足もあるのだろうし、仕方がない。役者の方たちの意見は真摯に受け止めて考えなくてはならない。まぁ、とにかく全ては稽古をしてからだと勝手に思っております。稽古をしていくことで芝居が形になっていくだろうし、さらに映像や音楽が加わることで、作品はまた変容していくはずだから。


■ 土曜日は、顔合わせの前にかげわたりのバンドの稽古を見学にも行っていた。いやはやいい具合。かげわたりの楽曲「ラストシーン」と「in the park」という2つの楽曲は芝居でも演奏していただく予定なのだけど本当にかっこいい。練習していくたびにどんどんかっこよさが増しているような気がする。


■ それと、バンドの稽古っていうのはなんだか面白い。メンバーの方は「ジャムる」といってたのだけど、一つの曲のメインギター?の部分だけを先に楽譜で作っておいてそれを見ながら他のギター、ベース、ドラムがそれぞれ自分のイメージでその曲に音を加えていくという具合のことをやっていた。演劇だとエチュードに近いのかもしれないけど違う気がするのはそれぞれの役割分担がはっきり分かれつつも、一つの曲を作るという作業だからか。


■ それにしても音のイメージを共有するためにいろいろと議論を交わしているのだけど、その言葉が面白すぎる。「そこのドラムはもっと、こう、たんたんたたたーんとさ」とか「ここはリズムがどーんとなってね」とか「いや、ここはもっとばーんとじゃない?」とかそういった擬音語盛りだくさんでバンドのメンバーしか理解できない言葉が交わされているわけで。そばにいる僕は意味も判らずそれを上辺で聞いてるから会話が面白く聞こえて仕方がない。それがさらに進むと「なんかもっと野生な感じでさ」とかいよいよイメージをそのまま言葉にしていくようになり、これも面白い。面白かった言葉が「ノースリーブの女のようなエロい感じの音で」という喩え。ひとくちに音とはいってもいろんなイメージがあるもんだ。それでもそういう会話から、かっこいい曲が生まれるのだから面白いもんだ。


■ 13日(日)。知人の芝居をカタカナの谷川さんと観劇。劇場が東横線学芸大学駅にあるのだけど、それにしても東横線など滅多に乗らない。顔合わせの席で、どういう経緯でかは忘れたけどたまたま自由が丘とか代官山に行ったことがないという話になったのだけど、よく見たら学芸大学駅の2つ先が自由が丘で代官山なんか渋谷の隣だった。そんなに近かったのか。僕の行動範囲の問題なんだけど、渋谷を拠点とする路線の電車は本当に縁がない。そういったわけで観劇後に谷川さんと初めて代官山をフラフラしてみたのだけど、なんか雰囲気が違う山だなここは。走ってる車は高級車ばかりな感じだし歩いてる人もなんだかみんなセレブな感じに見えるし。散歩に連れられてる犬とかさえ賢く見えた。まぁ土地が変われば雰囲気も変わるもんだ。


■ 代官山も面白かったけど、さらに面白い発見は渋谷駅新南口だった。谷川さんが教えてくれたのだけど、これが天下の渋谷駅の改札かというほど人がいない。渋谷駅を利用した人にしかわからないかもしれないけど、渋谷駅は構造上、埼京線湘南新宿ラインという線のホームが山手線とかとはちょっと離れた場所にある。その埼京線ホームに直接繋がる改札が新南口改札なんだけど、有名なハチ公口とは500mくらい離れた場所にあり、渋谷といってイメージされる駅前交差点とは程遠いところに存在する。そんな場所にあるから利用する人は限られているのだろう。切符の自動販売機なんて3つくらいしかなかった。埼玉の地元の駅より少ない。これはちょっと面白かった。違う渋谷を見た気分だ。いろんな場所があるもんだなと思う。


■まぁ、そんなこんなな週末でした。