東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『くだらないことが足りない』

■ この前、はてなダイアリーにコメントを書いて頂いたタニカワさんと池袋で会った。一応、こういう公の場に書くことなので僕以外の方を日記に書くときは意識してイニシャルで表示していたのだけれども、コメントで名前を公表してあるし、はてなダイアリーにも日記を書かれている方なのでまぁいいかなと思いながらこのように書いてしまいました。悩むくらいなら聞いとけばよかったし、抵抗があるなら書かなければいいのだけれども、すいません書いてしまいました。

■ タニカワさんとは実はそれ以前にほとんど面識がなかった。タニカワさんは、僕が去年の3月に役者として参加した芝居で作・演出を担当していたKさんの友人で、初めてお会いしたのはその芝居の打ち上げの時だった。その時にちょっとばかりしゃべったけどそれは本当にちょっとだった。ちなみに昨日会った時にタニカワさんがその時の僕の印象を語ってくれたのだけど「顔がやけに赤かったことだけが印象に残っています」と言っていた。酒の弱さが身にしみる思いだった。

■ そういったいわゆる「薄い」出会いの人とはその後、何事も生まれずに自然消滅していくのが僕のパターンだったのだけれどもギリギリでタニカワさんとつながりが保てていたのは遊園地再生事業団という劇団の手伝いの場でばったり出会ったからかもしれない。その劇団の役者オーディションにものの見事に落ちた僕はそれでもやはりどこかふんぎりがつかぬ思いに駆られて、手伝いとしてその劇団が5月に上演した企画公演に参加させてもらった。そこに演出助手として公演に参加していたタニカワさんがいた。もちろんその数ヶ月前に打ち上げの席でご一緒したわけなので顔は覚えており、二言三言しゃべった記憶がある。その後、10月にあったその劇団の公演でもやはりお目にかかった。そういったところでちょっとだけお互い顔を見ていたことでわずかにつながりが残っていた。

■ まぁそうはいってもそれだけの関係だったわけなので、はてなダイアリーにコメントがきた時はかなり驚きました。結局、タニカワさんの方からアクションの起こして頂いたわけで、やはり僕からは何もしていないわけだけど、それは本当にうれしかった。で、その後、早速携帯で連絡を取り、19日に会いましょうという次第になったわけでした。

■ こうなってくると不思議なもので、最初こそ少し緊張したもののものすごくいろいろしゃべった。『以前お会いしたから』というただそれだけのことで人見知りという感覚がなくなっており、その辺は我ながら単純な性格だなと思う。それにしても色々しゃべった。よくまぁあれだけしゃべったもんだ。しかもなんだか僕が偉そうにしゃべっていた部分もあり、今更恐縮してしまう。

■ 一通りしゃべった後、タニカワさんが『そろそろくだらない話をしましょう』と切り出したのが面白かった。確かにそれまで演劇のことや色々なことをお互いこれでもかというほど熱く語っており、よくわからないけど『今の僕たちにはくだらないことが足りない』ということになって冷静に仕切りなおしをしたのだった。それでちょっとだけくだらない話を切り出したらそこから結局まじめな話に戻ってしまい、お互い『よくないな』となんだか悩んでしまった。そうやってくだらないことをなんとかしてしゃべろうとする2人の図こそが今から考えると実にくだらない気がする。

■ 恐縮ながら話をしていて感じたことはタニカワさんと僕は今、同じような境遇にあるということだった。だからタニカワさんの話すことを聞いているうちにいろいろ刺激を受けた。それは日記を拝見させてもらっても感じた。もっと自分もいろいろ勉強して、芝居のことも、文章を書くことも考えなければならないと思えた。同じような立場にいる同世代の人と話せることは本当に刺激になる。

■ また今度飲みましょうと約束した。次に飲むときの目標は『今日はなんて無駄な時間を過ごしてしまったのだと思えるほどくだらない話だけをする』ということになった。まじめな話など禁止だ。まったく実のない話だけをしゃべり続けてどうしよもない時間を過ごそう。それもきっと楽しいことになるはずだ。

■ あと恐縮だけど笑ってしまったのは飲んでいる最中にタニカワさんに掛かってきた電話だ。それによるとタニカワさんの知り合いがオーディションで頑張りすぎてアキレス腱を切ってしまったという。アキレス腱は痛いな。がんばっていたんだろうけどさぞかし痛かっただろうな。俳優、というかそれ以前に一個人としてがんばってもアキレス腱だけは切らないようにしなければいけないなと思いました。