東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『ポカホンタスは実在した』

■ いよいよ暑くなってきた。そんな月曜の朝、新宿駅の線路内に人が侵入しただかなんだかで埼京線が大幅に遅れた。ただでさえ混雑する埼京線がよりいっそうぎゅうぎゅうになってかなり辛いことになっていた。ふと辺りを見るとところどころで携帯電話を使う声がする。「電車が遅れて遅刻します」といった類のことを囁いている。こういうことまで報告できるようになっている/報告せにゃならん事態。携帯電話っていうのは非常に便利なものだけど、しかしつくづく人間を拘束しているなぁと感じる。


■ 週末。ビデオを数本観る。

ジャン・リュック・ゴダール 『ゴダールの決別』
庵野秀明 『キューティーハニー
マイク・ガブリエル、エリック・ゴールドバーグ  『ポカホンタス

ゴダールの決別』は以前と違って途切れることなく観れた。というかいい作品だ。眠くなければ全然集中できる。話はまぁ正直僕には難しすぎたけど。『キューティーハニー』は惹かれるところが特になかった。笑いの質とかがどうも好みに合わず、なんというか普通の戦隊モノのお話のようだった。どうしてこういう映画を今更作ろうと思ったのかピンとこない。


■ 『ポカホンタス』はディズニーのアニメのアレ。これもそうでもなかった。ところが、インターネットで『ポカホンタス』を検索したら面白いサイトを発見。実在の人物だったよ、ポカホンタス。このサイトに書かれているポカホンタスさんの歴史を見ると、こっちをきちんと描く映画の方が断然興味深いと思えた。このサイトによるとポカホンタスさんはヴァージニア地方の初期の歴史上で重要な役割を果たした人物であるという。特に興味深いのは白人のジョン・ロルフという人物と教会式(つまりキリスト教に則って)で結婚をしていることだ。で、引用。

ポカホンタスとジョン・ロルフは1614年4月に結婚式を挙げる。
ジョン・ロルフが結婚した理由はポカホンタスの美しさに惹かれたと言う説もあるが二人が添い遂げればジェームスタウンに平和がもたらされると確信していたといわれている。
この時は教会は二人の結婚式を公認していたが、後に教会は白人とインディアンの結婚を公然と非難するようになったと云われている。』

それ以前にポカホンタスキリスト教の洗礼も受けている。この辺はとても興味深い。インディアン女性でこの当時、キリスト教に入信して白人男性と結婚していた人がいたとは知らなかった。これって結構すごいことな気がする。そしてなにより気になるのは、『後に教会が』こういった結婚を非難していることだ。なんらかのタイミングで教会側に(おそらく白人側全体に)インディアンを区別(つまるところ差別)する思想が生れたわけだ。そういった思想が生れた瞬間がこの省略された時間の中にあるわけだ。知りたいのはここだ。しかしこういったことはディズニーのアニメ映画で語るのは難しいのだろうか。映画自体はここに描かれていることとはずいぶん違う物語だ。しかしこれって歴史上の人物を扱うにしてはいくらなんでも話違いすぎやしないか。アメリカではこういうのはアリなのか。


■ 日曜。友人の芝居を見に吉祥寺へ行く。すっかりこの芝居のことを忘れていたところを阿佐ヶ谷在住の何かとお世話になっているFさんから連絡を受けて思い出す。この日、もう一本知り合いが出ている芝居があったがいろいろ考えてこちらを選択。こういうとき、勝手になんだか気まずい気分になる。でも仕方が無い。


■ 観劇後、Fさんに吉祥寺にあるとても雰囲気のいい居酒屋に連れて行ってもらう。Fさんは中央線沿いの素敵な店をいろいろ知っている。確かに雰囲気はいいお店だったが店員(おそらくバイト)の態度は非常に悪かった。実にバイトな仕事っぷり。別に時給制なんだし、それ相応の仕事として割り切るのはかまわないんだけど、せめて客にやる気がないと悟られないように仕事をできないものか。そういった『うまさ』は多少必要だと思うが。その後にもなんだか雰囲気のあるバーに連れて行ってもらう。短パンに汚いシャツ姿だった僕はいささか恐縮してしまうような雰囲気の店だった。そしてカクテルは美味かった。Fさんは本当にいろんなお店を知っている。


■ Fさんといろいろ話す。なんだかはっぱをかけられてしまう。そのうえほぼご馳走になってしまった。「出世払いでいいから」といわれてなおさら恐縮する。出世って。とにかく楽しい時間でした。