東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

東京の果て『インタビュー』

■ 8日(木)。夜勤明けに谷川さんと芝居に必要なある撮影をするために新宿で待ち合わせ。別に撮影内容を隠す必要はないのだけど、なんとなく書きにくいのは、その撮影はある人物のインタビューであり、このインタビューをとても慎重に扱わないと、なんだかその方やいろんなことを冒涜しているように思うからだ。


■ インタビューをお願いした方のような立場にいる人たちを僕は勝手にいろいろ意識してみていた。その人たちは自分とは違う存在なのだという意識。隔たりのようなもの。僕の側で常に一定の距離を置いていた。距離を置いていたけどその人達のような生き方をされている方に興味があったのは事実で、今回、芝居を作るといった名目でだけど、直接話を聞けたのは、僕にとって貴重な経験だった。僕らの質問の一つ一つにとても真摯に答えてくれた。自分が置かれている立場というものをきちんと認識していて、これから先のことについてもきちんとした考えをお持ちだった。


■ だからよけいに不安になる。芝居の中でこのインタビューを使うことが、単に奇をてらっただけのものにならないだろうか。当然安易な思いつきでこのインタビューを撮ろうと思ったわけではないのだけど、実際に撮影を終えてみると、そうやって作品に取り込もうとしていることへの責任というものがかなり重いものなのだなぁと実感する。面白半分でその映像を使いたいわけではない。かといって何かを訴えたいわけではない。そんな立場にはいない。ただ、とにかく、ありのまま。その人が語ってくれた言葉を、ただありのまま映像として流したいだけ。


■ 夜は池袋で稽古。出てくる役者が多くて、にぎやかな場面の稽古をする。テンポ重視。とりあえずまだいろいろ試す段階。それぞれの役者が向かっているベクトルが、まだチリジリに散らばっている感じでいまひとつの全体の流れにならない。一番気になってしまうのは台詞がきちんと入ってない状態なので、台詞を忘れて芝居が止まってしまうこと。それでテンポが崩れてしまう。まぁ、そこはまだ焦っても仕方がないことなのだけど。


■ 夜、家に帰ったら残念なお知らせが郵送で届いてちょっと残念な気分になった。