東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『ライブ三昧の週末』

■ 今日はなんだかとっても気持ちのいい暑さだった。暑いことは暑いんだけど湿気もほどほどでいい具合に夏っぽい感じ。関東も梅雨が明けたようで、いよいよ本格的に夏到来。連休明け初日が夜勤なのでなんだかずいぶんのんびりした始まりだ。


■ 休みのときはあまりテレビを見ない。仕事をしている時は日々の習慣で朝起きたらテレビをつけるし、職場でネットを見るから世間で起きていることはそれなりに耳に入ってくるけれど、休みの日はどうもそういう風にならない。起きる時間も少々遅くなるからなのかもしれないけど。だから梅雨が明けたというのも今日知ったし、あといろんなニュースも今日知った。Newsというジャニーズのアイドルの飲酒事件は未成年だからってことで名前を伏せているけれど、記事を読むとどうしたって人物が特定できる。あれ、配慮しているようなそぶりしてまったく配慮してない気がするけど、どうなんだろう。なんだか非常に中途半端な感じ。


■ 週末のことを少々。


■ 16日(土)。阿佐ヶ谷の「JANB JANB」という小さなバーであったあがた森魚さんの弾き語りライブに行く。阿佐ヶ谷在住の何かとお世話になっているFさんが教えてくれた所謂シークレットライブで、だったら何ゆえFさんはそのシークレットライブを知っているのかと疑問に思うものの、それはおいといてせっかくのお誘いなので行ってみる。あがた森魚さんはお名前しか知らず、そんな自分がシークレットなライブに行っていいのかと最初はびくびくした。お店も本当にこじんまりとしていて、客席も数十席しかなく、ステージといってもマイクスタンドがあるだけで、客席と区別はほとんどない。かなり濃密で素敵な空間。な、だけにさらにビクビクする。


あがた森魚さんは、本当にその辺にいそうなおじさんのようで、町ですれ違っても間違いなく気づかない感じ。ライブが始まってすぐ、ギターを抱えて、小声で「ちょっと待ってね」といいウロウロしていた。何かと思ったらギターのピックをどこかへ落としてしまったらしくそれを探していたらしい。あがたさんの風貌や雰囲気はとても心地いい感じで、ちょっと身構えていたものが、そんな様子を見てふっと軽くなる気がした。濃密な空間の中でギター一本で歌うあがた森魚さん。その空間にすっかり魅了される。曲と曲の間にギターをいじりながらあがた森魚さんが色々なことをしゃべってくれるのだけど、それもなんだか行き当たりばったりなのに面白い。あがた森魚さんが好きだった小学校時代の先生の話はとてもよかった。濃密な空間は濃密な空間だけに、汗っかきの僕は最後の方は汗をダラダラかきながら歌を聞いていたけど、本当に心地いい空間に自分がいれてとてもうれしかった。こういうライブは久しく行ってなかったので、今度また何かあったら是非行きたいと思った。


■ 17日(日)。日中、池袋の新文芸座でやっている成瀬巳喜男監督の特集に再び行く。

女の中にいる他人』 (66年/東宝
『乱れる』 (64年/東宝

『乱れる』高峰秀子さんはとても魅力的。女性の持つ色気とかがあって、ドキドキする。ちなみにこの『乱れる』には若かりし頃の加山雄三さんが出演している。以前に見た『夫婦』には上原謙さんが出演していて、親子で成瀬監督の映画に出演しているわけで、これはこれですごいことだなぁと思う。それにしても成瀬巳喜男さんの映画は面白い。


■ その後、大塚へ移動。友人のIさんやTさんがやっているバンドのライブに行く。このバンドのライブを聞くようになってからライブハウスというものにちょいちょい行く機会があるのだけど、芝居小屋とはまた違う雰囲気を持っている。これはこれで面白い。Iさんのバンドの曲が僕はとても好き。で、以前見たときよりもライブパフォーマンスもよくなっていた。音楽的なことはまったく判らないけど、立ち方とかが落ち着いていて、堂々としている感じがする。


■ こういったライブハウスでのライブは詳しくは判らないんだけど、数組のバンドが順番にパフォーマンスをするようになっていて、今回、Iさんのバンドは5組やるうちの2番目だった。3番目のバンドも引き続いて観たのだけど、正直、3番目のバンドの方が技術的にうまい気がした。だけど、なんなんですかね、贔屓目なのかも知れないんだけど、うまさだけではない何かがIさん達のバンドにはあって、それが僕には心地いいのでして。もちろんまだまだ課題とかがあるのかもしれないけど、本当に観ていてワクワクする。芝居とはまた違う刺激を与えてもらえる。


■ 17日(月)。思い立って家の大掃除を敢行。トイレとか台所とか風呂も掃除する。汗をダラダラかきながら、それでもきれいになった家を見ると気持ちよくなってくる。夜は気分よく晩酌。


■ 週末の間にナンシー関さんの本を読む。

『何様のつもり』(角川文庫)
『何がどうして』(角川文庫)
『小さなスナック』(文春文庫)(リリー・フランキー共著)

とっても歯切れのいい文章なのでスルスル読める。人によっては好みの分かれる文章なのかも知れないけど僕は好きです。北田暁大さんの『嗤う日本のナショナリズム』を読んでおり、その本の中で80年代以降の社会をナンシー関さんのテレビ批評を用いて分析している項があり、それを読んでいるとどうしてもナンシー関さんの本が読みたくなったという次第でして。


■ 辛口の批評もよく読めば、ただ辛口だけではないことが判る。リリー・フランキーさんとの対談形式になっている『小さなスナック』の中で最近のラップなどの歌の歌詞に見られる両親へのリスペクトなど、そういうとても狭い範囲での平和主義に異を唱えてる文章なんか本当にぐっとくる。で、その横にはとってもくだらない文章があって、そういうものが一緒くたになっているのが本当に面白い。この本の最後はリリー・フランキーさんによるナンシー関さんへの追悼文になっているのですが、それがなんとも切なくなる文章です。ナンシー関さんを追悼しているこのサイトにその文章を含んだ数多くの方々のコメントがありました。今更だけど、本屋に入るとナンシー関さんの本を探してしまいます。


■ あと、久々にCDを購入した。

レイ・ハラカミ『lust』

騒音を気にしなくてすむ防音完備の部屋で大音量でボーっと聴いていたいCD。それできっと心地よくなる。


■そんな感じで連休の週末は過ぎていく。で、気づけばもう週の真ん中。