東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『目白駅模様』

■ 28日(金)。池袋で芝居の打ち合わせ。音楽を担当してくれる家常さんと映像を担当してくれる谷川さんと、音楽と役者の両方で芝居に参加してくれるS君と僕の4人。音楽を使う部分はほぼ決まっていて、家常さんからその場所で使う音楽のデモが入っているCD−Rをもらう。仕事、めちゃめちゃ早い。音楽を使う部分で、映像を流すシーンも多いので、その辺の調整も入ってくる。


■ 谷川さんがいい具合に打ち合わせを脱線させて、その話題に家常さんとS君が乗っかるという場面がしばしば。まぁ、男が4人も顔をそろえて出る話などたわいもないもの。しかしそこに何やらよく判らない情熱のようなものを熱く語るものが出てきたりする。そういった脱線が面白かったりするから困まったものだ。あと、3人が音楽の話を始めると僕はまったくついていけない。めちゃくちゃ洋楽に、というか音楽に詳しい3人で驚く。


■ 30日(日)。目白に行く。1月の公演に参加してくれるT君が出演している芝居を観劇。客席に何かとしゃべる客がいて集中できない。知り合いが出演しているから観に来るという場合、好みと合わない作品もあるのだろうけど、少なくとも自分がそうやってしゃべることで近くに座る人たちにどういう影響を及ぼすのか考えないのだろうか。考えないんだろうな、だから簡単にしゃべるのだろう。


目白駅前で青年が一人、募金活動をしていた。必死に大声をあげていた。何でもおじいちゃんが重い病気にかかっているとかどうとか。そのための治療費が必要だという。身内だけではなく、そうやって高い治療費を払えずに苦しんでいる人が沢山いる。だから募金をして欲しいと訴えていた。僕は何もできなかった。


■ 芝居の前にまだちょっと時間があったので、目白通りをわき道にはいってぶらつく。いたるところで猫と遭遇。ちょっとの間に5匹の猫を見つける。野良なのか、飼い猫なのか知らないが、猫の多い街なのか、目白。


■ 芝居は2時間半の長丁場だった。観劇後、Tくんに挨拶してから再び目白駅へ。途中、婦警が道路に出てなにやら交通整理をしていた。なにかと思ったらどうやら車をレッカー移動している最中のようだ。赤のBMWが前輪を持ち上げられて哀れな格好をしていた。持ち主も運が悪いなと思ったりする。それにしてもレッカー移動させるために道路を軽く封鎖するもんだから、目白通りはちょっとした渋滞になっていた。と、信号のない場所で横断しようと試みていたおばあちゃんがおり、それを見つけた婦警がパトカーのスピーカーを使って「そこ渡っちゃ駄目!」とえらいでかい音量で怒鳴った。おばあちゃんもまさかそんな風に怒鳴られると思ってなかったのだろう、びっくりしてひたすら謝っていた。いろんな人がやりたい放題やっている空間だと思った。


■ 駅前に戻ると、まだ青年が募金活動をしていた。ずっとそこにいたのだろうか。心なしか声が枯れていた。それでも必死で声を張り上げていた。駅前には人がいっぱいいて、その青年からわずか数m離れただけの場所で談笑している集団がある。青年の声が聞こえてないわけはない。この距離感はなんなのだろうか。あの青年は誰に向かってあれほど声を張り上げているのだろうか。そんなことを思ってみても、僕にはやはり何もできなかった。