東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『印鑑』

■ 印鑑は使う機会は少ないけれど、まぁ重要だったりする。生きてくうえで、使用頻度が少ないけれど、無くてはならないものがあるとしたら、それは実印とか保険証か。


■ 当然、実印は怖いから持ち歩きたくないわけで、押入れの奥深くか金庫の中にでも眠らせておきたい代物なのだ。実際は実印を持っていかれたとしても失うものはほとんどないが。で、それとは別に世の中は何かと認印を必要とするわけで、僕のような生活を送っているものでも月に数回は認印が必要になる事態がくる。


■ 困ったことに認印を持っていない。だから認印が必要な事態に直面すると困ったりしてしまう。だいたいそういう時はしごく些細な事態なわけで、そんなことで困っている自分が本当に哀しくなってくる。実際に昨日、認印が必要な些細な事態に直面したばかりで、ほんとに哀しい思いをした。


■ 認め印が欲しくないわけではなく、欲しくてもないわけでして。僕の名字の認印が売ってないので、これはもう仕方が無い。こういったとき呪うべきは稀な名字の元に生まれた境遇なのだろうか。何が悲しいって「松」という漢字が使われている名字はとてもいっぱいあるわけで、松下、松本、松崎、松田、松井なんかホームラン打てるし、なんだったら松だけでも歌舞伎の有名な一族がいたりするわけで、「松」はそれこそ王道をいくようなメジャーな漢字なのに、そこに「瀬」がつくだけで急激にマイナー化するということだ。「瀬」だってそれほどマイナーではないのに、なぜにマイナーではない漢字2文字の組み合わせがこれほど稀な名字を生み出すのか。


■ まぁそういったわけで、日々「村瀬さん?」とかききかえされる日々を送っているわけですが、できるだけ早く、認印を手に入れておきたいなと思う日々なのです。


藤田敏八八月の濡れた砂」(日活)観賞。

  義父のヨットを奪ったときに「そんなことをして後悔するぞ」といわれた村野武範扮する野上健一郎が「後悔したいんだよ!」と叫ぶ。船上で知人の女性を強姦した後、どこに行き着くでもなくヨットは海上を漂う。ヨットはいつまでも沈まない。映画に出てくる若者たちは誰もが汗をかいていた。倦怠と迷走。希望がないという絶望。若者たちの夏は酷なほど暑い。