東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『クイズプレゼンバラエティ』

■ 頭痛は昨日ほどではなくなった。ヨーグルト効果か。にんじんを食べるといいとアドバイスをくれた役者さんにヨーグルトを食ったというと「ならばアロエヨーグルトが効きますよ」と言われた。アロエだったか。いかんせん、まだプレーンヨーグルトを食べきってないのでアロエヨーグルトを買うのがためらわれた。それで、ってわけではないけど冷蔵庫に入っているハチミツを混ぜて食った。甘かった。


テレビ朝日で放送している『Qさま!』で「30分逃げ切ったら100万円」という企画をやっていた。場所はサッカーゴールがある以外は他に何もない広いグラウンド。そこで鬼役の元10000mランナー・現すごく早口でしゃべるおばさん松野明美から30分間逃げきれるかというもの。逃げるのは番組のレギュラーであるロバート・南海キャンディーズアンタッチャブル青木さやかの計8名。参加した芸人たちはただ逃げていただけだった。コメントも「鬼の松野明美が本当に怖い」「松野は足がめちゃくちゃ速い」という按配。すごく普通の感想を語る。唯一南海キャンディーズ山ちゃんが「炊飯ジャー(芸人が逃げ切ると100万円もらえるのに対して、松野明美は全員を捕まえると炊飯ジャーがもらえるという設定らしい)でそんなに本気になるなよ」と一人ごちて、そのあとのスタジオトークでもさまーずが炊飯ジャーで本気になる松野というポイントでトークを展開していた。結果としてはアンタッチャブル柴田が松野から逃げ切り100万円を獲得したというものだったのだけど、僕はこの後に何かオチがあるのかと思って番組をみていたのだけど結局何もオチはなかった。この番組に参加する芸人に要求されることは「ただその企画をこなす」ことなのだなとつくづく思う。「ヤンキー」と「ニセ温泉」はアンタチャブル山崎の手腕による部分が多いと思うのだけど、10m高飛びあたりから芸人は言われたことをただこなせばいいという企画がなんとなく増えてきた気がする。


■ この企画は名前が知れている芸人たちが参加しているという点をのぞけば、あとは単なる鬼ごっこだ。それも本気の鬼ごっこ。芸人たちはこのとき芸人ではなく単なる参加者でしかない。一般人と変わらない。実際、多くを要求されない。芸人たちは次々とあっさり捕まっていく。捕まった芸人たちは柴田を本気で応援する。柴田は柴田でどのようにしたらプロのランナーである松野から逃げ切るかを計算しながら走ることに終始する。そこにはなんとしても笑いに持っていくという意志はないように思われる。VTRのクライマックスにBGMで映画「ロッキー」で使われた音楽(勝利したときの音楽?)がこれでもかというくらいベタなタイミングで挿入されるけど、そこでも笑いというよりは、どこか感動にも似た雰囲気が画面を覆う。おそらくこの曲を挿入しようと考えたディレクター陣も、この曲で笑いをとろうと考えてとあの場所で使ったのではなかったと思う。VTR終了後のスタジオトークで松野明美が柴田を捕まえられなくて本気で悔しがっておりもう一度リベンジしたいと語っていたという話題があがったり、松野さんは小型カメラが入っているバックを背負っていたのでダッシュ力が半減する、それを利用してうまく逃げましたという柴田のコメントはまぁ、そりゃ確かにそうなのかもしれないけど、落ち着いて考えてみるとなぜこの人たちは本気で鬼ごっこを語っているのだろうかと思わずにはいられない。だけど、それで企画が成り立たっているところがこの番組のうまさなんだと思う。一応、クイズの体裁をとっているから「芸人は逃げられたか逃げられなかったか」と問題を投げかけた時点で着地点は決定されている。クイズにすることの利点は着地点をクイズを作る製作者側が意図的に作り出せるところにある。さらに着地点が事前に決まっているからそれ以上のオチを用意する必要もない。だから参加者に笑いを要求する必要も無い。なぜならそこに求められるのは笑いではなく、必死にがんばって企画をこなす人でいいから。がんばっている最中に偶然、笑いが発生したらそれはそれで拾い上げられるだけ。笑いはあくまで脇役でいい。本気でがんばる芸人とクイズ形式という2つの柱であらかじめ決めておいた着地点に見る側を誘導する。それで企画が成り立つ。その仕組みがこの番組のうまさだと思う。


■ ただ一点、それでいいのかなと思ったのは、まったく活躍しなかったロバートがこの企画で「Qさま」の称号を獲得して来週のMCを勝ち取ってしまったこと。この点だけすごくタイミングが悪かった。ロバートの3人はすぐ捕まっちゃってこの企画ではまったく活躍してない。もし、これがロバートだけの企画ならば「Qさま」の称号は絶対にもらえてない。けれど誰一人突っ込むもの無し。おそらくVTRも終わった最後の段階で、そういう突っ込みをすることは柴田ががんばったという感動で一通りまとまったこの企画を台無しにしてしまうからだろう。さまーずも自分たちが司会から降格されるのだから本当はすごく嫌がるべきところなのだろうけど、今回はなんとなく触れられなかったのだと思う。でもおそらく当のロバートが一番やりづらかったのではないか。だって絶対おいしくない。とりあえずうれしがるしかないロバートがなんとなく辛そうに見えた。


■ 知人が3月にモンゴルに旅行に行くのだという。モンゴルの夜は、星がたくさん出てとてもいいらしい。言葉や情報も実際の体験にはかなわない。そういう話を聞くとどこかへ旅に行きたくなる。