東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『パソコンと対峙』

■ 2日(水)。4度目の通し稽古。上演時間は安定したように思う。それぞれの劇団の、それぞれの稽古のやり方があるから一概には言えないのかもしれないけど、本番の1週間前の段階ですでに4回通しをやれているというのとはとてもいいなと思う。芝居全体の雰囲気を予め把握できるので落ち着くし、演技に集中できる。


■ それにしても芝居っていうのはつくづく一回性のものだなと思う。本番前に通しが数回出来たくらいで多いと思えてしまうのだ。あと残っている稽古とそれに本番を入れたって両手で数える程度しか通しなどやらないわけで、芝居はその限られた回数しか「完成」した姿を見せない。その数回のために1月以上の間、多数の人間が時間を共有する必要があるわけだ。効率を考えたらこれほど悪いものもない。そもそも芝居の「完成」とはどこにあるのか。本番に完成度の高いものが作られるべきなのは当然だとしても、その限られた回数の「本番」のためだけに芝居はあるのか。稽古の時間にも学ぶものはたくさんある。稽古の時間だからこそ味わえるよろこびもある。本番という「一点」ではなく、本番まで続く「線」こそが『芝居』なのだと思う。戯曲家の書くという行為から始まり、演出家・役者・スタッフが一つの空間に集い作品を作り、そして最後に観客と空間を共有して本番の舞台を作る。その一連の流れすべてをひっくるめて『芝居する』なのだと思う。そんなことを思う。


■ 家に帰ってからパソコンと対峙。とある事情である映像の編集をする必要があるため。ちょっと問題だったのがDVDに入っている映像をパソコン本体に保存する方法が判らないこと。一度パソコンに映像を取り込まないとムービーメーカーでプロジェクトを作ることができないので編集作業ができない。映像なんて簡単にマイドキュメントとかに保存できるのかと思ったらまったくできない。予想外。こういうとき無知にはどうすることもできない。それでパソコンに詳しいA管理人に電話で助けを求めるとAVIをダウンロードしろと言われる。よく判らないので電話をつないでアドバイスをもらいながら指定されたソフトをダウンロードしてみる。それで見られるのかと思いきやなぜか音声だけは聞こえるものの映像は見れず。うろたえる。自力でなんとかしようとヤフーでいろいろなサイトを検索してみたらコーデックをダウンロードせよと教えてくれるサイトがあった。どこの誰が作ったのかよく判らないが、そのサイトにすべてを託し、指示されるままにソフトをダウンロード。するとあら不思議。ちゃんと取り込めました。


■ ある手続きをふまないとDVDの映像をパソコンに取り込めないようにするシステムを作っている人がいる。一方でDVDをパソコンに取り込むためのソフトを作っている人がいる。そのソフトを使えと教えてくれるサイトを作っている人がいる。すべて人為。パソコンの世界に広がるこの人為的な宇宙は果てしない。せいぜいインターネットとWordおよびExcelしか使わない僕はその宇宙の広さに呆然とする。


■ AVIってなんなのか調べてみたらAudio Video Interleavingの略だという。略語だということだけが判った。パソコン用語ってどうも質感を伴わない名前が多くて覚えにくい。VHSがVideo Home Systemの略語なのと似ているのかな。いや、きっと全然違うんだろうな。