東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『紫陽花咲いてる』

■ 僕の生き方は甘いのだと思う。周りにいる色々な人にそう言われるからたぶんそうなのだと思う。それでいろいろな人に心配をかけて迷惑をかけているから、本当に申し訳ないと思う。いいかげんで、身勝手なのだろうと思うけど、ただ、せめて、真摯に生きようと思う。真摯に人と向かい合いたいと思う。こういう文章は公の場に出すにはふさわしくないと思う。感傷に浸っているみたいだし、どこか書くことで自分を擁護している部分も少なからずあるのだと思う。それも戒めつつ、とにかく真摯に生きようと思う。そしてこうやって日記を書き続けていく。


■ 1日(木)。仕事が休みだったのだけど、家でじっとしていることができず、外へ。暑い。予報では関東は30℃近くまであがると言っていたけど、確かにそれを思わせる陽気だった。


原宿駅で降りて、賑やかな場所には目もくれずに代々木公園の横の道を進む。下り坂をおりきったところで井の頭通りに入り、今度は上り坂を歩く。歩いていると汗が吹き出してくる。あまりの暑さにボーっとなってくるけど、代々木上原駅の高架を越えた辺りで日陰が多くなり助かる。やけに上り坂が多い。上原という住所も上の方の原ということだからなのかと考えてみる。


■ 大山という交差点で左に曲がり路地をフラフラ歩く。紫陽花が咲いていた。まだ色は薄い。もうそんな季節か。好きな花だ。写真を一枚撮る。その傍の日陰で猫が一匹地面にのびていた。思わずじっと見ていると猫もこちらを警戒したのか、向こうの方へ逃げていってしまった。せっかくのんびりしていたのに申し訳ないと思った。


■ 下北沢までは結局、4〜50分でついた。フラフラしながらだったわりに意外と早い。

神代辰巳 『青春の蹉跌』 鑑賞

時代設定は明記されていなかったけど、田中角栄が首相に就いている時代であることが映像から判り、おそらく1972年から1974年の間の時代と思われる。すでに学生運動が下火になっている中で、かつて学生運動に関わっていたが今はもう一線を画し、大学で司法試験を受けるために勉強をしている主人公。かといって司法試験を受けることにそれほどの熱意はなく、また一方では学生運動を共にしていた先輩が過去を誇るように振り返るのにもみっともなさを感じている。自分の行き場がない。


そのやるせなさを悲嘆的に演じるわけではなく、淡々と流されるままに、それでいて時に抗うように演じる萩原健一がかっこよかった。短大生役で主人公萩原健一を一途に愛する桃井かおりが照れながらも自ら服を脱ぎ、女になっていく姿も体当たりで色気がある。脚本は『青春の殺人者』の監督、長谷川和彦。『青春の殺人者』の原田美枝子もそうだけど、体当たりでぶつかっていく女優っていうのはすごいと思う。


神代辰巳監督作品は初めて観た。不意にそれまでの流れとは別のワンカットがたびたび挿入されることがあったけど、それがなんだかかっこいい。また、壇ふみがキックボクシングを見ながら「私はこういうスポーツが好きなの」という台詞を言う場面は、「あしたのジョー」の白木葉子を連想させるけど、あれはちょっと意識していたのだろうか。


■ 面白かったけど、今の僕には少し重い作品だった。主人公の姿を自分に投影させてしまう。きっちり前に進んでいるとはっきり思ってなどはいないものの、それでもこうやって考えていくしか自分にはないのだと思う。帰りは渋谷まで歩くことにした。世田谷の住宅街を迷いながらウロウロ歩いていたら突然、東急文化村の前に出た。地理がよくわからない。