東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『マッチポイント』

夜の恵比寿

■ 月曜に仕事で必要なものを準備をするため、昼から職場へ。もちもちと作業。


■ 19時半に仕事が終わり、このまま帰るのもなんだなぁと思い恵比寿ガーデンシネマで今日から上映が始まったウディ・アレンの『マッチポイント』を観にいく。公開初日ということで今日だけ21時半からのレイトショーがあったのだけど、満席。


■ 運にまつわるウディ・アレンらしい作品。テニスにおいてネットタッチしたボールが相手陣地に落ちるか、自分の陣地に落ちるかで勝ち負けが決まるという状況を上手く使ったサスペンス仕立てのお話。結局のところ罪は刑に服することで償えるのか。結果的に主人公が警察に捕まらなかったのは、このお話においては確かに主人公の持つ運のなせる技であったが、その運は自分の陣地に『あの指輪』が落ちたことに因る。それはテニスの例えに則れば敗北を指す。とするならば、結果的にもたらされた運は、実際の生活において勝利であったのか、それとも敗北であったのか。いや、人生なんてそもそも勝った負けたの2つで分けれるものではないか。いずれにしても物語のラストの幸福な風景の中で見せる主人公の表情は決して勝者のそれではなかった。贖罪は人が決めた法律や刑罰によってなされるものではなく、己の中でしかなされないのではないか。悲劇を歌うオペラが、この喜劇にとてもよく合っていた。


■    それにしてもこういう作品づくりはほんとウディアレンはうまい。殺人を犯した者が捕まらない作品繋がりでは『重罪と軽罪』があるけど、『マッチポイント』にあって『重罪と軽罪』にないものは劇中の台詞を用いるとずばり愛欲だろうな。主演女性2人の性(生)に対する執念のようなものがこの映画をサスペンスだけの作品にしてない。


■ 25時帰宅。久しぶりに缶ビールを開けてみたけど、1杯でクラクラしてくる。疲れているときはいつもこうなる。


■ 今日の空日記。快晴。入道雲がいい感じ。日中はじめじめしてなくて気持ちのいい暑さだった。が、夜になっても気温が下がらず、今はどうも蒸し暑い。