東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『頭痛と週末』

■ ある方から頂いたコメントに言われるままに、『ダーウィンの悪夢』をグーグルで検索するとなるほどいくつか興味深い文章を見つけた。(1)(2)。ここに書かれた文章を読むと確かに『ダーウィンの悪夢』の見方が少し変わってくるのかもしれない。と、いうか『ダーウィンの悪夢』を見た人はこれらの文章をきちんと見るべきだと思うけど、だからといって『ダーウィンの悪夢』はもう見ちゃいけないというわけではないし、この映画を観たことをきっかけにそれぞれが何かを考えのであればそれはそれでありなのだとも思う。


■ 語弊を招くようだとまずいのだけど、僕自身はこの映画を観たからと言って「ナイルパーチってひどいな」とか「タンザニアとかその周辺はみんな貧困に苦しんで大変なんだなぁ!」と思ったわけではなく、いや、もちろん深刻な事態が起こっているなぁとは感じたけど、それよりもこの映画を観て痛感したのは、世界中どこまでいっても資本主義というものがなんかしらの形で存在しているということだ。うーん、資本主義と一括りに言えるほど僕にはまだ知識がないのだけど、つまり、どこまでいっても働かなくちゃ生きていけない現実がそこにあることで、ナイルパーチ産業が単なる悪ではなく、この国の経済を救うものとしてあるということも、その括りの中にあるわけで、肯定的に働いている人であれ、いろいろとやましさを抱えつつも仕方なしに働いている人であれ、ただがむしゃらに目の前の仕事をこなす人であれ、そういった『価値を増幅させる』ことを良しとするところにいるということで、それがアフリカも日本もどこもそうだということになんともいえない気分になったというのがこの映画の感想でして。バブルがはじけて、景気は回復しているとはいえ、あの頃のようなある意味浮かれた時代はもはや来ないのだろうと思われるが、それでもセレブやら勝ち組と言った言葉があの頃以上に横行しているのは奇妙なことだし、そういった境遇を望もうとする人と、その波に乗れず自らを格差世代と呼ぶ人たちが出てくる中で、『価値を増殖させる』ことが最良の方法なのだろうかと思わずにはいられない。とはいってもどうしたら『価値を増殖させる』以外に、いい具合に生きていけるかを考えていきたいのだけど、そんな方法はよくわからない。ただ、お金で還元できない悦びのようなもの、採算性の取れないものであっても、良いと思えるものはきっちり肯定していこうということを改めて強く思ったりするわけでした。とにかく、このコメントをくれた774さん、どうも有難うございました。


■ 13日(土)。友人のH君とT君が大井町駅前でギター演奏の路上ライブをやるというのでそれを観にいった。大井町駅前は結構な栄えっぷりで、こんなところで路上ライブをするのかぁと僕も勝手にドギマギしてしまった。風も吹いて寒い中、T君は歌い、H君はギターを弾く。T君は仕事の都合で来週から大阪に転勤する。だから2人でこうやってギターを弾くのはとりあえずこの日で終わり。それはとても寂しいことなのだけど、最後にこうやって路上ライブをするのはとてもいいもんだなぁと思えた。ライブ終了後、近くの居酒屋で軽い打ち上げ。またどこかで2人の演奏を聴けたらいいなと思う。


■ 14日(日)。ある劇団の研究生として芝居の勉強をしているM君が作・演出をする芝居を四谷三丁目に観にいく。それは研究生たちが企画した自主公演で40分ほどのお芝居だったのだけど、とても面白かった。僕は以前、M君が作・演出する芝居に出たことがあるのだけど、その時に比べてもとてもいい戯曲だった。


■ 終演後の打ち上げに、一緒に芝居を観にいったKとおじゃまさせてもらう。いやー、こういう見知らぬ人が多い席っていうのはほんと緊張する。人見知りはこういう時駄目だ。M君の芝居に参加したとき共演させてもらったG君も打ち上げにいたのだけど、その場でG君が語ってくれた芝居の感想はとても的確だと思った。G君はとても魅力的な役者さんで、一緒に芝居に出ていても刺激を受けるところが多かった。M君とG君の組み合わせは傍から見ていても面白い組み合わせで、打ち上げの席もその2人を中心に盛り上がっていた。2人でいつか芝居をやろうと話していたのだけど、それが実現したらとても楽しそうだなぁと思う。僕は、単純に、面白い人をずっと見ていたと思う性質なので、2人のやりとりが本当に面白かった。


■ 今日の空日記。いい天気。一緒に芝居を観にいったKは仕事柄、日中外にでることが少ないらしく、久しぶりに日中に外にでたので太陽の光がまぶしかったと言っていた。そのくらい気持ちのいい天気だった。ところが僕は昨日からどうも頭痛がする。Kから風邪の前兆じゃないかといわれたけど、うーん、風邪は引きたくないな。