東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『手ごたえを掴んでいる人たち』

tokyomoon2008-03-09

■ 土曜の夜にアマネクという劇団の芝居を観に、中野へ行く。中野自体ずいぶん来ていなかった。芝居の前に少し喫茶店にでも入ろうと、久しぶりに名曲喫茶クラシックを目指す。が、店があった路地に喫茶店がない。久しぶりなので場所を間違えたかと少し周りを探すも見当たらない。結局、その時は別の場所で一服。今、ネットで調べたらすでに3年前に閉店していた。驚いた。ずいぶん来てない間に、喫茶店が一つ無くなってしまった。それも、とても素敵で、ある意味では今後に残すべき空間だったと思われる喫茶店が。残念。


■ アマネクは友人のMくんが主宰をしている劇団。今回はその2回目の公演。1回目の公演は、諸々の縁があって役者として出演させてもらった。とても刺激を受ける役者さんやスタッフさんがいて、参加させてもらってとても楽しかった。今回は、一観客として。以前の公演にも出演していた役者さんも、初参加の役者の人たちもとても魅力的な人が多い。物語が進行して行く中で、過去の出来事を語るシーンがたくさん出てくるのだけど、それが単なる過去の賛美になっておらず、軸がきちんと『今』にあることがとてもよかった。「あの頃みたいに笑えないよ」と、昔の、それはおそらく微笑んでいるだろう写真を見た役者が言う台詞があるのだけど、そういったどこか醒めたような感覚を底辺に誰もが抱いて舞台上にいる。だから一瞬のうちにぶあっと立ち上がる過去の記憶のヨロコビが愛おしくなるし、『今』に立っている楽しさや覚悟や諦念、いろんな感情が過去を語る姿から滲みでてくるように思えて、それがいいと僕には思える。


 終演後、一緒に芝居を観にいった大学の同期Kと打ち上げの席に参加させてもらう。Mくんや他の出演者の方々と少し話す。Mくんはなんだかどんどんと自分のやりたいことを実行している。実行に伴い、きちんと手ごたえを掴んでいるようなのですごいなぁと思う。大学の同期のKも、今までの職場を辞して、もっと自分の経験値をつむため、今年の4月から新たな職場で仕事をしながら勉強するという。


■ それから家に戻る。かげわたりのベース宮嶋君とドラムの里崎くん、それからカタカナの谷川さんが家にいて、バンド練習後の軽い飲み会をしていた。なんでも、その日の練習で里崎くんのドラムがすごく良くなったらしい。本人も今日の練習で手ごたえを感じることができたらしく、何か興奮しながら語ってくれた。身体として、はっきりと手ごたえを感じることができるのはすごいと思う。


まわりで、手ごたえを感じつつ、自分の道を進んでいる人をやけに多く見た1日だった。自分に、そういう感触が少ないので、正直羨ましかったり悔しかったりがあるのも本音。とはいえ、今は自分のやることをきちんとやろうと思う。